“サッカー界のダル”長谷川　勝負を決める珠玉のパス！

＜ＦＣ東京・磐田＞前半、磐田・前田（左）と激しく競るＦＣ東京・長谷川アーリアジャスール

Ｊ１第２７節 ＦＣ東京２－１磐田

（9月29日 味スタ）
　一本の縦パスで勝負を決める。これがＦＣ東京ＭＦ長谷川の真骨頂だ。１―１の後半４０分、中盤の低い位置でボールを持つとＤＦ裏に抜ける渡辺の姿を視界に捉え、絶妙のスルーパス。ヴチチェヴィッチの決勝弾をお膳立てした。勝負どころで光った“珠玉の一本”を「あれが持ち味。あれが出なければ、僕のいる意味がない」と振り返った。

　イラン人の父と日本人の母を持ち「サッカー界のダル」と呼ばれる。本家同様、身長も１メートル８６というスケールの大きなボランチだ。早くから将来を嘱望されてきたが、今年初めてＡＣＬの舞台を踏むと世界の市場で評価は急騰した。欧州クラブのスカウトはもちろん、父の母国イランのＡ代表候補にもリストアップされた。

　５月には念願の日本代表にも初選出された。日本協会関係者によれば、完全非公開の紅白戦では、サブ組に入った長谷川が主力組を圧倒する内容を見せたという。ザックジャパン常連の長谷部、細貝らが所属クラブで出場機会に恵まれていない状況。ザッケローニ監督、長谷川を１０月の欧州遠征に連れてってみては！

　▽長谷川アーリアジャスール（はせがわ・あーりあじゃすーる）１９８８年（昭６３）１０月２９日、埼玉県生まれの２３歳。横浜ユースから０７年に横浜に昇格。今季からＦＣ東京に完全移籍。今年５月の国際Ａマッチ・アゼルバイジャン戦で日本代表に初招集も出場機会なし。１メートル８６、７５キロ。