クラブ史上最多の２０点だ！寿人　２発で首位広島が快勝

＜広島―鳥栖＞後半、自身２点目のゴールを決め喜ぶ広島・佐藤

Ｊ１第２７節 広島４―１鳥栖

（9月29日 広島ビ）
　広島のＦＷ佐藤が２得点でクラブ史にまた一つ、その名を刻んだ。前半３４分にＰＫで今季１９点目。そして試合終了直前には、狙い続けた鳥栖の浅いディフェンスラインの裏に抜け出し、左足で浮かせて決めた。自身初のＪ１での２０ゴールは９４年ハシェックの１９点を超えるチーム最多得点。「１年目（広島移籍の０５年）に１８点で終わり、それを塗り替えたいとずっと思っていた」と喜びを隠さなかった。日本人選手の２０得点は０９年の前田（磐田）以来、３年ぶりとなった。

　３連勝。首位を守るどころか、仙台が敗れたため、２位との勝ち点差は５に広がった。ロスタイムに１点を許しながら、直後に佐藤が取り返したことで次戦への流れも失わなかった。「あのまま終わっていたら、勝利を手放しでは喜べなかった。終わり方を少しでもポジティブに変えたかった」。９４年第１ステージ以来のリーグ優勝に向け、エースは最後の最後まで気を抜いていなかった。

　「自分の力だけでゴールしているわけじゃない。勝つためにチームメートとやってきた結果」と言い切る。ＰＫをもらう反則を誘ったのはリーグ通算無得点の石川。ボールを託されると「蹴らせてくれて、ありがとう」と感謝を伝えた。今季、佐藤が決めた試合は１１勝３分け１敗。Ｖロードを引っ張る男は「ＦＷというポジションは、満足するポジションじゃない。“２点取れば３点”と貪欲でいるのがＦＷ」と曇りのない目で話した。得点ランクでは２位に８点差をつけて独走しており、エースはリーグ優勝との２冠に向けてこのまま突っ走る。

　≪日本人２０得点は２人目≫広島ＦＷ佐藤が２ゴールをマークし、今季通算２０得点目。０５、０６年に記録した１８得点が自己Ｊ１最多得点で、これを上回った。２０得点の大台に乗せたのは０９年前田（磐田）以来、３シーズンぶり。年間３４試合制となった０５年以降、シーズン２０得点以上は佐藤が通算８人目（１０回目）。過去７人のうち、６人は外国人選手で、日本人は前田に次いで２人目だ。