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陽子 得点王&世界一!2冠イメージできた!!

[ 2012年9月4日 06:00 ]

笑顔でボールを追う田中陽

U―20女子W杯準決勝 日本―ドイツ

(9月4日 国立)
 堂々の得点王宣言だ。ヤングなでしこは4日の準決勝でドイツと対戦する。3日は都内で冒頭約20分以外を非公開にして最終調整したが、ここまで5得点を記録しているMF田中陽子(19=INAC神戸)は5試合連続得点を誓った。現在、得点ランク2位で並んでいるドイツのFWロッツェンとの直接対決を制し決勝へ進出。得点王と優勝の2冠への距離を一気に縮める。

 前回覇者との大一番を翌日に控えた非公開での最終調整を終えた田中陽の表情は自信に満ちあふれていた。「ドイツの映像も見たし、体も軽い。バッチリです」。ここまで4試合連続で計5得点をマーク。今大会、無失点で勝ち上がってきているドイツの鉄壁の守備を打ち破る準備は整った。

 ドイツには負けたくない選手がいる。得点ランク2位で並んでいるロッツェンだ。1位は7点のキム・ウンファ(北朝鮮)だが、北朝鮮は準々決勝で敗退。2試合を残す田中陽とロッツェンの2人にも得点王のチャンスは十分あるだけに「(ロッツェンと)同じピッチに立って対戦するので負けたくない」とライバル心をむき出しにした。

 有言実行で結果を残してきた。「アシストもゴールも決めたい」と話していた1次リーグのニュージーランド戦は1ゴール1アシスト。「いっぱい点を取りたい」と宣言していたスイス戦は2点を奪った。この日は「得点王に近づくために、1点は絶対に取りたい。それでお願いします」と笑顔で力強く宣言した。

 験かつぎとして得点シーンをイメージしてから試合に臨んでいる。「韓国戦もこぼれ球を決めたいと思っていたら、イメージ通りのゴールになった」。まるで予言者のようにイメージを現実にしてきた。宿舎では、なでしこジャパンと米国のロンドン五輪女子決勝や欧州選手権決勝、バルセロナの試合の映像などを見て研究。「誰を見ているというわけじゃないけど、ゴールのイメージを高めている」。その引き出しの中から無意識にゴールシーンを選び出して、頭に思い描き、ピッチで再現しているのだ。

 自国開催での初Vまであと2勝。ドイツ戦は最大のヤマ場となるが、臆する様子はみじんもなく「負ける気がしない」と言い切った。この言葉は、ロンドン五輪でなでしこジャパンのメンバーたちがフランスとの準決勝の前に口にしていた言葉と同じだ。「慌てずに戦えば大丈夫」。イメージしているのは聖地国立で仲間とともに喜びを爆発させている自らの姿だけだ。

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2012年9月4日のニュース