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ジーコ監督をFKで見返す!遠藤“恩返し弾”だ

[ 2012年9月4日 06:00 ]

かかとの部分に「YATTO」と書かれたスパイクを手に引き上げる遠藤

 日本代表は3日、親善試合UAE戦、W杯アジア最終予選イラク戦に向けて新潟市内で合宿をスタートさせた。MF遠藤保仁(32=G大阪)にとって、イラク代表のジーコ監督(59)はかつてFKの指導を受けた恩師。1試合も起用されなかった06年W杯ドイツ大会以来の再会となる一戦で、恩返しのFK弾を決めることを誓った。

 日本屈指のFKキッカーとなった遠藤にとって師匠に、成長した姿を見せる、またとないチャンスが到来した。日本サッカーを熟知するイラクのジーコ監督はテレビ局のインタビューで、ザックジャパンでもっとも警戒する選手として遠藤を挙げた。そのことを聞かされると「うれしいこと。一緒に4年間(代表で)仕事した監督だし、僕のこともよく知っている」と、8日後に迫った対決に思いをはせた。

 今や歴代2位の国際Aマッチ119試合出場(10得点)を誇る遠藤が、日本代表デビューを飾ったのは02年11月20日のアルゼンチン戦。当時の指揮官がジーコ監督だった。ジーコ監督は現役時代に数々の芸術的FK弾を決めたFKの名手。間近に最高の教材を得た遠藤は、日本代表の練習で何度も直接指導を受けたという。この日も「蹴る前の精神状態や蹴り方をよく言われた。流れをしっかりつくれと。毎回練習のときに言われてました」と感慨深く振り返った。

 遠藤はここまでJリーグ歴代最多の16得点を直接FKで決めている。そのうちの15点はジーコジャパンに招集されて以降に決めたものだ。06年W杯ドイツ大会で遠藤は、フィールドプレーヤーでただ一人起用されなかったが、「ジーコのもとで何十試合も試合に出させてもらったことが経験になっている」と、今があるのもジーコ監督のおかげだと強く感じている。

 ダブルボランチでコンビを組む長谷部、細貝は今季、ともに所属クラブでまだ公式戦出場なしで、コンディションに不安を抱えている。細貝はこの日もザッケローニ監督から居残りダッシュを命じられており、遠藤にかかる期待はより大きい。「11人で戦うので気にならない」。恩師との対決をこう語った遠藤だが、イラク戦では目の前で芸術的FK弾を決め、最高の恩返しをする。

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2012年9月4日のニュース