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エースお待たせヘッド!大迫 最終予選待望の1号

[ 2012年2月23日 06:00 ]

<マレーシア・日本>前半、ヘディングで2点目のゴールを決める大迫(左)

五輪アジア最終予選C組 日本4-0マレーシア

(2月22日 クアラルンプール)
 ニアサイドに突っ込んだ。1点リードの前半44分、右サイドで得たFKのチャンス。大迫が扇原のキックに反応して頭を突き出すと、ボールはGKの股の間を抜けてネットを揺らした。待望の最終予選初ゴール。両手を突き上げて喜びを爆発させ、扇原をはじめとするチームメートと次々に歓喜の抱擁を交わした。

 強い危機感を抱いていた。ここまでの最終予選全4試合に出場しながら得点がなかった。5日のシリア戦で永井のゴールをアシストするなどチームに貢献してきたが「そろそろ得点しないとヤバイ。マレーシア戦は前から積極的にガンガンいきたい」と猛省していた。07年にはU―17W杯メンバーから大会直前で落選。先発を続けながら結果を残せずに、世界大会を目前にエースの座を失った当時の苦い記憶も頭をよぎったが、ここ一番で結果を出した。

 強引さを取り戻していた。08年度の全国高校選手権で10得点を挙げて1大会最多得点記録を樹立。貪欲にゴールに迫る姿勢が持ち味だったが、09年に鹿島入り後はマルキーニョス、興梠らJリーグのトップクラスの選手とコンビを組み周囲を生かすプレーが増えた。だが、昨季、鹿島が低迷して、自身も結果を残せなかったことで原点回帰。小笠原、中田ら先輩から「もっとわがままにプレーしていい」と声を掛けられたことにも背中を押され、どの選択肢よりもシュートを優先する高校時代のスタイルに戻っていた。

 大一番でエースに結果が出たことは何よりの好材料だったが、その直後にアクシデントに襲われた。後半1分に相手との接触プレーでバランスを崩して、着地の際に頭部を強打。しばらくプレーを続けたが、脳振とうを起こして突然ピッチに座り込み、後半14分に途中交代を余儀なくされた。試合後は病院に直行。3月14日にはホームで、ロンドン切符を懸けたバーレーン戦を控えるだけに、容体が心配される。

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