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もっと強く!もっと速く!大津 世界への挑戦加速

[ 2011年12月20日 06:00 ]

ドイツで挑戦を続ける大津

 18日で前半戦が終了したブンデスリーガ。暫定首位に立つなど旋風を巻き起こした古豪ボルシアMGに所属するのがMF大津祐樹(21)だ。11月のロンドン五輪アジア最終予選のバーレーン戦、シリア戦で2試合連続ゴールを決めてU―22日本代表の“救世主”となったが、クラブでの公式戦出場はまだ3試合。それでも7月に柏から移籍して新たな環境で成長を続ける若武者が、ドイツでの日々を語った。

 “失敗”もまた新たな経験だった。U―22日本代表のシリア、バーレーン戦で2戦連続得点。「次はブンデスリーガで初ゴール」と成田空港から旅立ったが、ドイツで風邪をひき12月3日のドルトムント戦を欠場した。

 「(長距離移動の)経験がなかった。慣れていないことを含めてまだまだ甘いなと感じた。同じことはしちゃいけない」

 ただ五輪代表を経験したからこそ、新たに感じたことがあったという。

 「代表から帰ってきた時にドイツはレベルが高いとあらためて感じた。ドイツの凄いところは強さと速さ。プレッシャーの速さ、ゲームのスピードの速さ、縦にいくスピードの速さなど世界のトップレベルだと思う」

 7月に柏から移籍。強く速いドイツサッカーへの適応を迫られた。

 「日本ではうまい選手を目指していた。こっちでは自分のプレーが崩されたというか、ただうまいだけじゃサッカーはできない。激しさの中でうまいプレーができないと意味がない」

 リーグ開幕から8試合ベンチ外。それでも練習試合で結果を残して10月にデビューを果たした。

 「9月下旬の練習試合で2アシスト。そこからスタートして得点、アシストと目に見える結果を出し続けてようやくメンバー入りできた。危機感の中にも楽しさはある。ドイツに来てから何事もポジティブに、練習でも楽しみながらやれている。日本で“大津ホームシック”という一部報道があったみたいだけど、全く問題ない」

(ライバルに衝撃/) チームでのライバルは1歳年上のドイツ代表FWマルコ・ロイス。今季15試合で10点を挙げているエースで、バイエルンMも獲得を狙う逸材だ。

 「ロイスはドイツに来てから一番の衝撃。パス、ドリブルのタイミング、ボールを置く場所など全てにおいて優れている。負けたくない気持ちはあるが、一歩引いて手本として見る部分もある」

 約1カ月のリーグ中断を挟んで来年1月から後半戦。7月にはロンドン五輪が開幕する。

 「中断期間のキャンプが勝負。練習試合でアピールしてポジションを獲りたい。12年はロンドン五輪もあるし、五輪代表とクラブの両方で試合に出たい。ボルシアMGは日本のファンも多いので(60~70年代に)強かったイメージを取り戻せるよう頑張りたい」。

 ▽ボルシア・メンヘングラートバッハ ドイツ中西部のメンヘングラートバッハを本拠地に1900年創立。西ドイツ代表MFネッツァーらを擁して69~70年の初優勝を皮切りに76~77年までに5度リーグを制覇。その後は低迷して99~01年、07~08年には2部降格。その他主な優勝はドイツ杯3回、ドイツスーパー杯1回、UEFA杯2回。チームカラーは黒、白、緑。ホームスタジアムはボルシア・パーク(5万4047人収容)。

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2011年12月20日のニュース