沢“想定外”ファン５００人！生中継＆スポンサーも来た～

明るい表情で練習を行う沢（左）と川澄（右）。左奥は大野

　女子Ｗ杯ドイツ大会を制した、なでしこジャパンのＭＦ沢穂希主将（３２）らＩＮＡＣ所属の７選手が２１日、兵庫県芦屋市内で行われたチーム練習に合流した。

　過去に例を見ないファン５００人、報道陣１００人の大ギャラリーの前で、紅白戦などいきなりフルメニューを消化。「スカパー！」が、なでしこリーグの無料生中継を決定するなど“なでしこフィーバー”は、今後さらに過熱しそうな勢いだ。

　百戦錬磨の沢も想定外の熱狂ぶりだった。決勝の米国とのＰＫ戦でスーパーセーブを連発したＧＫ海堀、準決勝スウェーデン戦で２得点したＭＦ川澄ら代表６選手とともに、この日からＩＮＡＣの練習に合流。午前１０時、チームバスが練習場に到着すると、ファンが一斉に駐車場に向かってダッシュした。お目当ては、もちろんなでしこジャパンの面々。沢は練習場に足を踏み入れる直前までテレビカメラに囲まれ、マイクを向けられる中、「頑張ってー」「沢さーん」などの大歓声を浴びた。

　なでしこフィーバーは過熱の一途をたどっている。ＣＳ放送スカパー！は２４日のＩＮＡＣ―千葉戦（ホームズ）など国内リーグ３試合を無料生中継することを決定。現在、なでしこリーグのスポンサーはプレナス１社だけだが、選手がブログで商品を紹介したことなどを受け、新たに２社が名乗りを上げた。ＩＮＡＣをはじめ各クラブにも大口スポンサーのオファーが殺到している。

　１５年Ｗ杯カナダ大会では出場国がドイツ大会の１６から２４チームに拡大する。優勝賞金も１００万ドル（約７９００万円）から大幅アップすることが決まり、日本サッカー協会の小倉会長は「カナダに向けてさらに強化する」との方針を打ち出した。優勝トロフィーを全国行脚させる計画を披露し、レプリカトロフィーを全選手に配布することも決めた。

　１２年ロンドン五輪制覇、Ｗ杯連覇に向けてバックアップ体制が整いつつあり、沢は「（ＩＮＡＣ）神戸に来て凄くコンディションがいい。海外に行くことも今は考えていない。思ったより体は大丈夫だし、サッカーをやれる環境に感謝している」と笑顔を見せた。人気を一過性にしないためには、ここからが正念場。帰国２日後のフルメニュー消化は、新たな挑戦への決意の表れだった。