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日伊「復興への思い」一致!仙台で代表戦を計画

[ 2011年3月27日 06:00 ]

多くのファンが訪れる中、募金活動する本田圭(右)ら日本代表

 日本代表とイタリア代表が東日本大震災の被災地・仙台でチャリティーマッチ開催を計画していることが26日、分かった。イタリア協会が日本協会に対し慈善試合の実施を打診。両協会とも02年W杯日韓大会でイタリア代表がベースキャンプを張った仙台での開催を希望している。なお、29日の慈善試合でJリーグ選抜と対戦する日本代表は26日、大阪府内で合宿をスタート。アルベルト・ザッケローニ監督(57)らが被災者への募金活動を行った。

 東日本大震災で深刻な被害を受けた仙台で、復興の1歩を刻むビッグマッチが実現する可能性が出てきた。日本代表のザッケローニ監督のもとにはイタリア協会から慈善試合のオファーが届いているが、イタリア協会関係者は「02年W杯日韓大会でキャンプを張った仙台の会場でチャリティーマッチができればと考えている」と証言した。

 会場の有力候補に挙がる宮城スタジアムは現在、被災者の避難場所として使用されている。震災から2週間以上が経過しても被害の全容はつかめておらず、東北地方で試合を開催できるようになるまでには、時間を要する可能性が高い。それでも日本協会側もインフラを含めた試合環境が整えば、東北地方で国際Aマッチを開催したい意向を持っており、両協会の思いは合致している。

 イタリア代表にとって仙台は思い入れの強い土地だ。02年W杯日韓大会のベースキャンプ地で、当時、イタリア代表が宿泊していた仙台市郊外にあるロイヤル・パークホテルはメディア、サポーターを含めた前線基地となり「イタリア代表の家」を意味する「カーザ・アズーリ」と呼ばれた。W杯日韓大会から9年がたった現在も交流は続いており、9月に開催予定の仙台杯にU―18イタリア代表が出場することも決まっていた。イタリア協会のアバーテ会長は震災発生直後に「われわれが02年W杯をきっかけに友好関係になりお世話になった仙台の人々のそばにいたいと感じている」とコメントしている。

 日本協会は当面、日本代表の全試合で募金箱を設置するなど復興に向けて可能な限りの協力をする方針を固めている。日本代表はこの日から29日の東日本大震災復興支援試合Jリーグ選抜戦に向けた合宿を大阪府内で開始したが、練習前には全選手、スタッフが募金活動を行い、サポーターに支援を呼びかけた。

 ザッケローニ監督は「日本ではサッカーは人気スポーツ。できることは多いと思う。Jリーグの日程が許す限り全ての慈善試合を実現させたい」と話している。ACミランなど多くのセリエAの強豪クラブで指揮を執ったイタリア屈指の名指揮官が率いるザックジャパンと、その母国イタリアとの一戦が仙台で開催されれば、歴史に残るメモリアルマッチとなることは間違いない。

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2011年3月27日のニュース