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岡田監督 W杯「1対1で負けなかった」

[ 2010年8月17日 18:11 ]

 最後のパラグアイ戦から1カ月半が過ぎた。サッカーのワールドカップ(W杯)南アフリカ大会で日本代表を指揮し、今月末で契約が切れる岡田武史監督は「ようやくリラックスできて、いまを楽しめている」と穏やかな口調で話し、柔和な笑みを浮かべた。

 1次リーグ初戦でカメルーンを破り、日本は国外開催のW杯で初勝利を挙げた。オランダには惜敗したが、デンマークに3―1で快勝して決勝トーナメント進出。1回戦でパラグアイと120分の激闘を演じ、PK戦で敗れた。日本中が熱狂した16強入りについて、指揮官は「あれのおかげで勝つことができた」。
 あれとは、大会直前の強化試合4連敗を指している。「あの時、選手は気付いた」。4連敗目を喫したコートジボワール戦後の控室で、選手たちは「ボール際に行かないとやられる」と口々に言ったそうだ。Jリーグではミスを待つケースがあるが、W杯では命取りになる。指揮官は、球際で勝つために徹底した体幹トレーニングも取り入れてきた。
 周囲は4連敗で危機感をあおったが、選手の意識は大会直前にがらりと変わっていた。「初めて1対1で負けなかったW杯だった。すべての年代の世界大会でも初めてでしょう」と岡田監督は自慢げだった。長年の課題だった1対1の局面の弱さを克服できたことが、下馬評を覆しての躍進につながったと見る。
 まだ後任監督は決まっておらず、今後の日本代表については多くを語らない。「前の監督があれこれ言ったら、次の人はやりづらいから」。ただ、いずれ自身も監督業に戻るつもりだ。「僕はやっぱりサッカー。自分を生かせるのは現場なのかな」。それが海外の舞台であっても構わない。

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2010年8月17日のニュース