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テリー不倫騒動でイングランド代表分裂危機

[ 2010年2月2日 06:00 ]

チェルシー時代にチームメートと談笑するブリッジ(左)とテリー=2006年10月

 イングランドが激震に見舞われている。DFジョン・テリー主将(29=チェルシー)に不倫が発覚。相手は同代表DFウェイン・ブリッジ(29=マンチェスター・シティー)の元恋人で、地元紙では主将はく奪の可能性や女性の妊娠中絶が報じられるなど波紋は広がるばかり。31日にはマンチェスターCの選手がブリッジ支援の姿勢を鮮明にし、6月のW杯を控えて代表分裂危機を迎えた。

 2児の父親ながら親友でもある代表チームメートの元恋人と不倫が発覚したテリー。1月29日に不倫記事差し止めの訴えが裁判所で棄却されてからは連日地元紙で大きく報じられ、主将はく奪への圧力が高まってきた。
 31日にはブリッジが所属するマンチェスターCの一部選手がアクション。ポーツマス戦でユニホームの下に「TEAM BRIDGE」と印刷されたシャツを着込んだ。渦中のブリッジは故障で姿を見せなかったが、マンチーニ監督は「ブリッジは素晴らしい人物。選手も支えている」と全面支援を訴えた。サトクリフ・スポーツ大臣は「代表主将は国家の代表として大きな責任を負う。報道が事実なら彼の役割には疑問が生じる」と発言。イングランド協会から事情を聴く意向を示し、裁判所に提出した声明文で不倫を認めた主将への包囲網は狭まりつつある。
 08年1月の就任後、複数の選手にキャプテンマークを託し、適性を見たうえでテリーを主将に指名したカペッロ監督は沈黙を守ったまま。近い関係者は「監督は私生活に無関心。気にするのはチームに悪影響があるかないかだけ」と明かすが、影響は避けられない。
 ブリッジは元恋人との間にもうけた4歳の息子を気にかけ「プライバシーを尊重してほしい」とコメントするにとどまっているが、周囲には「背後から撃たれた」と漏らし、代表引退を決意したとも報じられる。手薄な左サイドバックの控えを欠けばチームにとっても大打撃。またテリーが主将を退いてもチームに残れば他選手との摩擦は避けられない。マンCはバーミンガムにレンタル移籍中のGKハートを含めれば5人の代表選手を抱える勢力。代表主力のランパードやファーディナンドがブリッジに激励メッセージを送ったとも報じられ、テリー孤立の構図さえ浮かぶ。数々のスキャンダルをはね返してきた主将だが、正真正銘の苦境に追い込まれた。

 【テリーとトラブル】
 01年9月 チームメートとバーで騒ぎ、チェルシーから罰金処分。
 02年2月 ナイトクラブでビールジョッキに放尿している姿を防犯カメラに撮影される。
 08年3月 ピザ店で身体障害者用の駐車スペースに愛車を止めて罰金60ポンド(約8400円)。
 09年3月 実母と義母がスーパーで万引。
 09年11月 おとり取材で実父のコカイン密売が報じられる。
 09年12月 おとり取材でクラブの許可なくファンを練習場に招待。現金を得たと報じられる。

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2010年2月2日のニュース