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守備に穴…カメルーン、格下に負けた!

[ 2010年1月15日 06:00 ]

<カメルーン・ガボン>クザンに振り切られるA・ソング(右)

 W杯南アフリカ大会の1次リーグ初戦(6月14日、ブルームフォンテーン)で日本と対戦するカメルーンが不安を露呈した。アフリカ選手権は13日、アンゴラのルバンゴで1次リーグD組の2試合が行われ、アフリカ最上位のFIFAランク11位・カメルーンが同48位のガボンに0―1で敗れた。守備の甘さを突かれて失点し、インテル・ミラノのFWサミュエル・エトオ(28)を中心にした自慢の攻撃陣も不発。W杯イヤーの公式戦初戦で、よもやの黒星発進となった。

 “不屈のライオン”が、いきなりつまずいた。FIFAランク43位の日本より“格下”のガボンに、よもやの零敗。W杯アフリカ最終予選の途中の昨年7月に就任し、2大会ぶりの本大会出場をもたらしたフランス人のポール・ルグエン監督(45)は「ショックを受けている。何が起こったか分からない」と頭を抱えた。
 波乱の原因となったのが、不安視されている守備陣のまずい対応だった。前半17分、相手の右クロスに19歳のDFヌコロウが詰めたが、いったんはボールに触りながらも股を抜かれ、前線にパスを送られた。大会最多8度の出場となった33歳のベテランDFのR・ソングは、マークしていたFWクザンの突破をあっさりと許す始末。直後に先制点を決められた。R・ソングは衰えが見え始めており、ヌコロウは経験不足。両センターバックの連係に問題があるのは明らかで、日本にとっては攻略の参考となるプレーとなった。
 守備の不安は攻撃陣にも波及した。先制点を奪われてからは圧倒的に攻めまくったが、ゴールは奪えなかった。前半24分のDFジェレミの強烈なFKは相手GKの好守に阻まれ、後半6、15分のチャンスではFWウェボが決めきれなかった。
 攻撃の中心を担うFWエトオも精彩を欠いた。ガボンの徹底的なマークに遭い、ゲームメークに回る形を強いられた。大会通算で16得点を記録し、今回は72年大会にザイール(現コンゴ)のヌダイエが挙げた9得点の記録更新を目標に掲げていたが、この日は決定機に絡めなかった。W杯アフリカ最終予選で2戦2勝だった相手にまんまと雪辱を許した。「それは大きな問題ではない。サッカーではよくあること」と強がったが「次の試合は勝たなければいけない」と苦しい状況に追い込まれたのは事実だ。
 W杯に6チームを送り込むアフリカの中でも最強と目されているカメルーンだが、決して盤石ではない。運命のW杯初戦まで残り5カ月。的確に弱点をつければ、日本にも勝機は訪れる。

 <ガボン>優勝候補カメルーンを破る金星を挙げた。カウンターから先制点を挙げ、守備を固めて相手の強力攻撃陣を封じた。W杯アフリカ最終予選で2戦2敗だった強豪に雪辱し、ギレッセ監督は「カメルーン相手に考えた戦術が機能した」と満足げ。プレミアリーグのハルに所属するFWクザン主将は自ら決勝点を挙げ「スターがそろうカメルーンに勝つなんて夢のようだ」と笑った。

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2010年1月15日のニュース