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やばい!4度外した…森本、W杯へ“尻に火”

[ 2010年1月15日 06:00 ]

<ジェノア・カターニア>懸命にクロスを上げる森本(撮影・篠田由美子通信員)

 イタリア杯は13日、5回戦が行われ、FW森本貴幸(21)が所属するカターニアはアウェーでジェノアを2―1で破り、準々決勝に進出した。森本は左サイドで先発出場し、後半にはFWの位置に入ってフル出場したが、決定的なチャンスを外すなど無得点に終わった。FC東京FW平山相太(24)が再招集されるなど、岡田ジャパンのFWのポジション争いは激化しているが、厳しい立場に立たされている。

 W杯イヤー3試合目で初めて手にした先発のチャンスで、森本は結果を出すことができなかった。後半21分にはMFレデスマの早いスローインからボールを受け、そのまま左足でシュートを打ったが、相手GKに押さえられた。ロスタイムにもGKと1対1の決定機を逃した。試合を通じて4回の好機があった“怪物”だったが、ゴールを決めることはできなかった。
 準々決勝に進出したミハイロビッチ監督も厳しい表情で、「もっと早めに決着をつけておくべき試合だったが、軽いプレーでチャンスをつぶした。そのおかげで後半は苦戦した」と怒りをあらわにした。キエーボへのトレードの可能性が報じられるなど、指揮官の評価が落ちている森本にとっては久々のチャンスでもあったが、名誉ばん回とはいかなかった。
 厳しい立場は岡田ジャパンでも同じだ。元祖“怪物”の平山が6日のイエメン戦でハットトリックを達成。2月の4試合に向けた日本代表にも再招集された。W杯本大会ではFWが5人程度選出される見込みだが、高さが売りのストライカーは1人となる可能性が高い。岡田監督は森本をポストプレーができる大型タイプとして認識しており、平山が直接のライバルとなる。このまま先輩・怪物が活躍を続け、森本が結果を出せなければ、おのずと南アフリカへの道は絶たれることになる。
 ロモナコGMは「キエーボが森本を獲得しようと思ったら、チームを全部売りに出さないといけない。事実無根」と放出する意思はないことを明らかにした。それでも地元紙ガゼッタ・デロ・スポルトが「使えない」と酷評するなど、厳しい状況に変わりはない。17日のサンプドリア戦でリーグ戦14試合ぶりのゴールを決めて、自らこの苦境を打ち破るしかない。(ジェノバ・神尾光臣通信員)

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2010年1月15日のニュース