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鹿島5発王手!最終節勝って3連覇決める

[ 2009年11月29日 06:00 ]

<鹿島・G大阪>試合終了後のセレモニーでサポーターに3連覇を誓ったオリヴェイラ監督

 J1第33節の28日、鹿島がホームで3位・G大阪を5―1と圧倒して連勝を4に伸ばし、史上初のリーグ3連覇へ王手をかけた。FW興梠慎三(23)が2得点するなど今季最多の5ゴールを挙げて大勝。12月5日の最終節・浦和戦(埼玉)で勝てば3年連続7度目のリーグ優勝が決まる。

【試合結果
J1順位表


 鮮やかなゴールラッシュに超満員のスタジアムが揺れた。優勝に向け負けられない大一番での圧勝劇。火付け役となったFW興梠は「後半戦はチームに迷惑をかけてきたけど、この大一番で2点決められたのは大きい。大事な試合で今年一番のプレーができて良かった」と声を弾ませた。

 興梠の先制点が猛攻の合図だった。後半11分にMF小笠原のパスカットから興梠がパスを受けると、ゴール前で2度切り返して落ち着いてゴール。2―1と1点差に迫られた同17分にはMF野沢の左クロスを右足で合わせて追加点。相手の戦意を喪失させるには十分な一撃で、途中出場のFW田代、MFダニーロのダメ押し弾を呼び込んだ。

 興梠は後半戦で12試合連続無得点と不振に陥り、チームも90分以内ではクラブ史上初となる5連敗を記録した。「自分のことで精いっぱいだった」ともがき苦しんでいた興梠を救ったのはオリヴェイラ監督の言葉だった。出場停止だった10月17日の磐田戦前日。チームが遠征に出発する前にオリヴェイラ監督から「おまえのことを信頼してるから。来週(10月24日の千葉戦)準備しておけよ」と声をかけられた。先発落ちも覚悟していた中での指揮官の言葉。その千葉戦で13試合ぶりのゴールを決めると、その後は4戦3発と復調。起用し続けてくれる指揮官への恩返し弾でもあった。

 今節で優勝が決まる可能性が浮上してからは重圧との闘いだった。「ここ何日間は眠れなかった。(午前)3時、4時まで寝つけないこともあった。人生で初めて眠れなくなった」。それでも気迫あふれるプレーでプレッシャーをはねのけ、プロ5年目で初の2ケタ得点(11得点)をマーク。今季、興梠が得点した試合は8勝1分けと、不敗記録も継続させた。

 07年のオリヴェイラ監督就任後、11月以降の試合はこれで11連勝。失点も11試合で3と終盤の勝負強さはJ屈指だ。2位の川崎Fが勝ったため、優勝争いは5季連続で最終節に持ち越されたが、指揮官はピッチ上で3本の指を掲げて「3連覇を勝ち取ろう!」と絶叫した。歓喜の瞬間はもうすぐそこにある。

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2009年11月29日のニュース