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柏4年ぶり降格…涙で誓った「1年で復帰」

[ 2009年11月29日 06:00 ]

<大宮・柏>J2降格が決まり、ぼう然とする柏の(左から)フランサ、近藤直也、北嶋秀朗、GK菅野孝憲

 【柏1―1大宮】16位の柏は15位・大宮との直接対決で1―1と引き分け、4季ぶりのJ2降格が決定した。

 残留と降格を分ける非情のホイッスルに、柏の選手たちはその場に立ち尽くした。後半29分、大宮に先制を許し、2分後にフランサのゴールで追いついたが、あと1点に手が届かなかった。1―1のドローで4年ぶり2度目のJ2降格決定。7月から指揮を執り、来季続投が決まっているネルシーニョ監督は「今の私の気持ちを皆さん(報道陣)に言う必要はない。分かっているでしょう?」と視線を落とした。

 かけ違えたボタンは最後まで元に戻らなかった。チームをJ1昇格に導き、人望も厚かった石崎監督(現J2札幌監督)を強化方針の違いから昨オフに解任し、今季は新体制でスタート。だが、戦力の上積みはほとんどなく、唯一の即戦力だったMFアルセウは開幕前の練習試合で右ひざに重傷を負って契約解除。開幕から4試合連続引き分けのJ最長記録を含む7戦未勝利とつまずいた。7月には高橋前監督を解任。ネルシーニョ新監督を迎えてからはDFパク・ドンヒョクを獲得するなど守備力はアップした。だが、一方で小見編成部長が古巣・J2東京Vの監督人事に奔走するなど、残留に向けてチーム一丸とは言い難い状況のまま大宮戦を迎えていた。

 千葉に続くJ2降格で、来季は千葉県内のJ1チームが消滅。選手たちは「力不足」と声をそろえた。涙にくれたFW北嶋は「今は残念な気持ちでいっぱいですが、1年で(J1に)戻るためにどうしないといけないか皆で考えないといけない」と言い、07年の横浜FCに続いて2度目の降格となったGK菅野は「ばん回する時間があったのにばん回できなかった。僕を含め選手の責任です」と唇をかみしめた。

 来季はアルセウの再獲得が決定的でフランサの残留も濃厚。だが、今こそ足元を見つめ直さなければ、この日も最後まで拍手を送ってくれたサポーターへの恩返しは遠く険しくなるばかりだ。

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2009年11月29日のニュース