×

二刀流で生き残り!加地が左初挑戦

[ 2008年2月15日 06:00 ]

ミニゲームで左サイドに入った加地(右)は右サイドの内田と競り合う

 加地が二刀流に代表生き残りを懸ける。東アジア選手権(17~23日、中国・重慶)に出場する日本代表は14日、中国到着後初の練習を行った。午前、午後の2部練習で、DF加地亮(28=G大阪)が左サイドバックに初挑戦。定位置の右サイドバックをDF内田篤人(19=鹿島)に奪われつつある代表の常連が“両利き”転向に活路を見いだす。

 違和感があった。午前練習での10対10のミニゲーム。主力組の両サイドバックは左を加地が務め、右に駒野が入った。「いくつか試したいことがある」と話していた岡田監督の“テスト第1弾”は、仰天の左右入れ替え。午後のミニゲームでも加地が左に入った。

 右のスペシャリストである加地にとって代表、クラブを通じて初の左。突然のコンバートに「監督に左をやれと言われた。幅を広げる意味かな」と驚きを隠さなかったが、一方で「新鮮でいい。楽しみが増えた」と二刀流習得に意欲的だった。

 03年10月の代表デビュー以来61試合に出場。今回のメンバーでは川口、中沢に次ぐキャップ数を誇る加地は、代表のキャリアで最大の危機を迎えている。岡田ジャパン初戦となった1月26日のチリ戦こそ途中出場したが、続く2試合は出番なし。19歳の内田にポジションを奪われた格好だ。

 それでも、両サイドバックの層の薄さは代表の長年の課題でもある。本来左を務める駒野の代役候補は、三都主(浦和)や五輪世代の安田(G大阪)もいるが、加地が二刀流をマスターすれば、生き残りへの道は大きく開けてくる。

 もちろん、定位置奪回も狙っている。代表に初招集された03年。加地はFC東京で当時、特別指定選手だったDF徳永にポジションを奪われたが、腐らず、代表につなげた経験がある。「ベンチで学んだことは試合に出たときに生きる。内田(のプレーを見てて)も体の使い方とかが勉強になる」。左を経験することでプレーの幅を広げ、試合に出られないときでも、ベンチから他人の技術を吸収するつもりだ。

 今回と同じ重慶で1次リーグと準々決勝が行われた04年アジア杯は、6試合すべてに先発するなど活躍。「懐かしい」と語る思い出の地で、新生・加地を披露する。

続きを表示

2008年2月15日のニュース