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巻“脱オシム”でゴールにこだわる

[ 2008年1月25日 06:00 ]

軽快な動きを見せる巻(左)と羽生

 巻が岡田ジャパンで“変身”する。岡田武史監督の初陣となる26日のチリ戦に臨む日本代表は24日、会場の国立競技場で練習。冒頭15分だけ公開し、セットプレーなどを確認した。FW巻誠一郎(27)はこれまでゴール以外の動きへの評価を訴えていたが、今季は「得点にこだわりたい」と意欲的。イビチャ・オシム前監督(66)の辛口コメントにも刺激を受け、ゴールラッシュを狙う。

【日本代表メンバー


 08年の巻は違う。「今季はゴールにどん欲に行きたい。欲を出したい。得点にこだわりたい」。コメントの端々に得点への意欲がにじみ出た。21日に長男が誕生したばかりで、この日は病院から集合場所となる都内のホテルに直行し、非公開練習に参加。「いろいろなパターンを試しました。チームとしてしっかり戦えるよう準備してます」と気合を入れた。

 オシムジャパン最終戦となった昨年10月17日のエジプト戦は出番なし。危機感を感じていた巻は指宿合宿開始前日の14日、入院中のオシム前監督を見舞っていた。「元気でした。何を話した?それは、ちょっと話したくないです」と明かさなかったが、恩師からゲキを飛ばされたのは間違いない。合宿では19日の練習試合で2得点。ケガで調整がうまくいかなかった昨年と違い、今季は動きにも切れがある。

 これまでは得点よりも「ゴール以外の部分を評価して」と訴えることが多かった。豊富な運動量で前線を走り、相手を引きつけることで味方の得点を生み出す。「ゴールに結びつくプレーを評価して」というオシム前監督の口癖言葉どおり、巻もそんなプレーを身上にしていた。その一方、「ゴールを取らないと相手にとっても怖くない」と得点の重要性も痛感していた。浦和復帰の高原が指宿合宿の初日から合流したことも「刺激になった」と発奮。現在では「ゴールは凄く大事」と気持ちを切り替えている。

 オシム前監督が川淵キャプテンを通じ「選手が伸びていない」とチームに伝えたことにも「オシムさんらしい」と奮い立った。巻同様、恩師を見舞ったMF羽生も「監督から“もっとやれ”“もっと走れ”と言われました。上を目指してやってほしいということでしょう」と話した。岡田体制下でも代表に選ばれ、生き残りに必死なオシムチルドレン。08年初戦で、今までとは違う姿を見せつける。

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2008年1月25日のニュース