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原田&鈴木 躍り出た!!3位だ

[ 2008年8月19日 06:00 ]

デュエットテクニカルルーティン 3位につけた鈴木(手前)、原田組

 【北京五輪 シンクロ】デュエットのテクニカルルーティン(TR)予選が行われ、原田早穂(25)鈴木絵美子(26)組は48・250点の3位につけ、日本の7大会連続メダル獲得へ向けて好スタートを切った。銅メダルを争うライバル中国のショウ文文(21)、ショウ・テイテイ(21)の双子ペアは48・084点で4位。19日にはフリールーティン(FR)予選が行われる。

 青いプールにオレンジが躍動した。ド派手な蛍光色の水着をまとった原田と鈴木は軽快なリズムに乗って、華麗な足技を披露。持ち味の機敏な動きで観客を沸かせた。
 迷いのない演技を終えた鈴木は「今、私が出せる力は出し切った。元気の良さを出せたと思う」と胸を張った。格上のロシアとスペインには及ばないものの、ライバルの地元・中国を0・166点上回り3位。金子チームリーダーも「思い通りの位置につけた」としてやったりの表情だった。
 84年ロサンゼルス五輪以来、6大会連続でメダルを確保してきたシンクロは絶体絶命の危機を迎えている。アテネ五輪で銀メダルを獲得した立花美哉、武田美保組が引退。後を引き継いだ原田、鈴木組は06年アジア大会で初めて中国に敗れた。さらに、日本代表の井村前ヘッドコーチが中国のヘッドコーチに就任。今年4月のプレ大会でも中国ペアを下回った。既に世界の格付けで日本は中国に次ぐ4番手と見られており、初日のデュエットTRでも得点が下回れば、今後印象を覆すことは難しいと思われた。
 逆境を打開するため2人は勝負に出た。プレ五輪から内容をすべて変更。曲は従来の重厚なクラシックからバイオリニスト・葉加瀬太郎氏作曲の「ひばり」を採用し、演技もスピードやパワーを前面に出すようにした。水着も原田が好きなオレンジ基調に変え、3カ月間で完ぺきに仕上げた。
 デュエットは3日間の戦い。賭けはひとまず成功したが、油断はできない。原田は「中国は地元で有利だと思うけれど、私たちにははねのける力がある」と力強く、鈴木も「メダルを死守することは使命。絶対逃しちゃいけない」と覚悟を見せる。因縁の日中バトルは始まったばかりだ。

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2008年8月19日のニュース