義理堅い吉田豊が手繰り寄せた中東G1で2勝

[ 2024年2月23日 05:05 ]

 【競馬人生劇場・平松さとし】今週末、遠くサウジアラビアではサウジC(G1)が行われ、中山競馬場では中山記念(G2)が行われる。ちょうど1年前にサウジCを勝ち、2年前には中山記念を制したのがパンサラッサ(現役時は矢作厩舎所属)だ。

 22年の天皇賞・秋(G1)ではイクイノックスにひと泡吹かそうかという大逃げを打った同馬は、その鞍上・吉田豊とのタッグで世界を舞台に暴れまくった。しかし、2年前の中山記念を勝つ直前には、2戦にわたり別の騎手が手綱を取っていた。

 パンサラッサに吉田豊が初めて乗ったのは21年のオクトーバーS。ここで後の代名詞ともいえる大逃げを披露すると、東京競馬場の2000メートルをギリギリ逃げ切ってみせた。

 しかし、続く福島記念(G3)ではその鞍上を他の騎手に譲り、吉田豊はヒュミドールに騎乗。その理由を同騎手は次のように語る。
 「単純に早く騎乗依頼を受けたから、です」

 義理を通した結果、ヒュミドールはパンサラッサの2着に敗れた。
 翌22年の中山記念では再びコンビ結成となるのだが、この時もやはり義理を通しての騎乗だった。

 「このレースにはヒュミドールも出ていましたけど、今度はパンサラッサの方が早く依頼をしていただいていたので、こちらに乗りました」
 結果、ここを逃げ切ったことで続くドバイターフ(G1)でもその鞍上を任されるとロードノースと同着で優勝。さらに、昨年のサウジC制覇という偉業にまで続いたのだ。

 吉田豊は日本国内だけでもG1を9勝しているように名手の1人であることは疑いようがない。今の時代、ここまで乗れる騎手はフリーになるのが当たり前の流れになっているが、彼は師匠の大久保洋吉師が定年で引退されるまでずっと所属を貫き通した。そんな義理堅い性格が、中東での度重なる栄冠を手繰り寄せたのは間違いない。さて、今年のサウジCや中山記念ではどんなドラマが待っているだろう。注目したい。 (フリーライター)

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