【日本ダービー】ソールオリエンス 夢舞台も通過点、手塚師「歴史的名馬に」

[ 2023年5月26日 05:28 ]

厩舎周りで運動するソールオリエンス(撮影・河野光希)
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 【疾走!!オリエンス急行(5)】夢。ホースマンにとってダービーは特別。皐月賞Vで5大クラシック完全制覇に残すはダービーのみとした手塚師もその例外ではない。

 「この世界に入った時から夢見た舞台。ダービーを目指して調教師としての技術を磨いているといっても過言ではありません」

 父・佳彦さんは日本記録29連勝を樹立したドージマファイターを育てた足利競馬場(廃止)の名調教師。自身は企業に就職するつもりだったが、大学卒業前に親子で北海道を巡った時、雪が降る牧場で駆け回る子馬を見ていると「ふと調教師になりたい気持ちが湧いた」。ライスシャワーを手がけた伯父の飯塚好次元調教師の助言で中央競馬の世界へ飛び込んだ。

 ホースマンとして掲げた目標は、無敗の3冠馬シンボリルドルフのように「競馬ファンなら誰でも知っている馬」を育てること。「ルドルフの隙を見せない走りが好きでした。大学時代にダービーも見に行きましたよ。競馬界にとって、その走りを見たいと思ってもらえる馬がいることは大切。そういった馬をプロデュースしたいと思ってやってきました」。ソールオリエンスは理想とする競走馬になり得る逸材だ。

 4度目のダービー出場は調教師人生で「過去最高」の注目を集めて挑む一戦となった。「ソールオリエンスと巡り会えたことは運が良かったし、調教師冥利(みょうり)に尽きます。このような大きなチャンスがまた巡ってくるとは思っていません。緊張感もあるが、しっかり仕上げたつもりです」。

 ダービーへの全力投球は、珠玉の毛づやから伝わってくる。一方で、指揮官の視線はその先の壮大な夢も捉えている。「歴史的名馬に肩を並べてもらいたい。彼にはそのポテンシャルがあると思っています」。圧巻の皐月賞も、夢のダービーも通過点。手塚師が憧れた皇帝のように、ソールオリエンスの終着駅はその先にある。=了=

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