【CBC賞】重賞初騎乗V“肝っ玉ルーキー”今村聖奈を五十嵐師絶賛「どんな心臓しとんねん」

[ 2022年7月4日 05:21 ]

CBC賞でレコード勝ちしたテイエムスパーダと今村聖奈(撮影・中村 達也)
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 聖奈、ありがとう!サマースプリントシリーズ第2戦「第58回CBC賞」は3歳牝馬テイエムスパーダがJRAレコードで逃げ切ってルーキー今村聖奈(18)はJRA重賞初騎乗V。五十嵐忠男師(69)は初コンビで自慢のスピードをフルに生かした鞍上を絶賛した。五十嵐厩舎は3カ月連続で重賞Vと絶好調だ。

 今村を背にテイエムスパーダが先頭でゴールを駆け抜け、拍手に包まれた小倉競馬場。その直後、掲示板にレコードの文字が点灯すると再び歓声が湧き起こった。1分5秒8の勝ち時計は芝1200メートル戦の日本レコード。逃げたスパーダが刻んだ前半3Fは31秒8。スタート直後は外枠のスティクスが速かったが、それでもハナを譲らなかった。

 見守った五十嵐師は「3Fの数字を見てびっくり。さすがに止まるかと思ったが。4コーナーを回って、これは残るなと」と笑顔で振り返った。「あのスピードを生かした聖奈ちゃんが凄い。どんな心臓しとんねん。緊張しないなんて、大したもん。初重賞で自信を持って乗れるなんて大物やね」とルーキーを絶賛した。

 小倉はこれで【3100】の成績。約1年前の当舞台で新馬戦を勝ち、続くフェニックス賞も2着に好走した。金曜輸送で現地入りし、土曜朝には今村を背に角馬場で調整。指揮官は「普段から物おじせず堂々としている馬。それがいい方に出ている。昨年も小倉に来ているし、心配していなかった」。この後はそのまま小倉に滞在し、サマースプリントシリーズ第4戦・北九州記念(8月21日、小倉)を視野に入れる。

 05年にテイエムプリキュアで阪神JFを制したトレーナーは11月で70歳になり、来年2月いっぱいで定年を迎える。調教師としては残り8カ月を切ったが、ここに来て厩舎は絶好調。5月の京都ハイジャンプ・タガノエスプレッソ、先月のマーメイドSを制したウインマイティーに続く今年の重賞3勝目となった。

 厩舎の好調ぶりに、指揮官は思わず「どうなったんでしょうね。これで心置きなく、今日が定年でも」と冗談を口にしたが「そう言って、やめた人もいないやろうけどね」と笑った。将来性豊かな3歳牝馬を育て、さらに大きな舞台へと導いていく。

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2022年7月4日のニュース