【NHKマイルC】前々で脚ためられるタイセイディバイン 距離短縮組好走で高配の使者

[ 2022年5月5日 05:30 ]

松若を背に坂路で追い切るタイセイディバイン(撮影・亀井直樹)
Photo By スポニチ

 春のG1企画「展開王」は予想のファクターとして重要な展開を多角的に分析する。前走のタイセイディバインは積極的な運びで速い上がりを使えたのが収穫。マイルより長い距離での好走歴はこの舞台にもフィットする。武豊ジャングロの単騎逃げ、道中も出入りの激しい流れにはならない見立て。スタートセンス抜群の松若がスッと先行、今度こそ押し切ってみせる。

 東京芝1600メートルを考える上で、頭に置いていることがある。スタートして3コーナーまでは十分な距離がある。直線も長い。タフなコースレイアウト、中距離を走れるくらいのスタミナが要求される。1800や2000メートルで好走実績を持つ馬に注目している。「前走からの距離短縮」も意識。この舞台は距離を縮めてきた馬が良績を残す。今年の東京新聞杯で1&2着だったイルーシヴパンサーとファインルージュはともに距離短縮組だった。

 今年のメンバーで過去に逃げた経験を持つのはオタルエバー、ジャングロ、タイセイディバイン、プルパレイの4頭。プルパレイはここ2走が出負け、中団からの競馬を選択している。オタルエバー、タイセイディバインもここ2走は控える競馬。前走も逃げて勝ったジャングロがここもハナを切る形か。武豊が今年、芝で逃げたレースは8回。乱ペースになったことが一度もない。うまくペースを掌握するか。今年のメンバーを見ると、出入りの激しい展開になる可能性は低い。隊列が定まれば道中はペースも上がらない。前日紙面で田井記者が力説した「先行優位」に異論はない。

 タイセイディバインは前走のアーリントンCが好位グループの直後、直線を4番手で迎えた。残り1Fで先頭、坂の上でいったんは完全に抜け出した。ゴール前でマークされていたダノンスコーピオンに差されたが、好位から上がり33秒9の脚を使えたのは大きい。

 激流にならなければ、前々で脚をためることができる。もとより前走がダノンスコーピオンから0秒1差。ほぼ差がないのに、今回も人気は頃合い。2000メートルで未勝利勝ち、1800メートルでも好走歴を持つ。父ルーラーシップで血統的には17年菊花賞馬キセキとほぼ同配合、母父ディープインパクトがダンスインザダークに替わったくらい。マイルより長い距離で走れているのも好感が持てる。重賞連続2着が13、7番人気。競馬には時に、走っても走ってもなかなか人気にならない馬がいる。油断めされるなかれ。三たび、高配を演出する。

続きを表示

2022年5月5日のニュース