【ドバイ国際競走】世界の矢作厩舎が快挙 1日3勝!!! 次はロイヤルアスコットに照準

[ 2022年3月28日 05:30 ]

ドバイで3勝を挙げた矢作師(AP)
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 圧巻のVラッシュ!ドバイ国際競走が26日、メイダン競馬場で行われ、日本馬は8競走に22頭が出走して5勝。昨秋の米国から香港、先月のサウジアラビアと国境を越え、タイトルを積み重ねる「世界の矢作厩舎」が3勝した。まだ旅は続く。矢作芳人師(61)が見据えるのは多くのホースマンが憧れる英国競馬界の一大イベント、ロイヤルアスコットだ。

 「個人の目標としては、ロイヤルアスコットに行きたい」。ステイフーリッシュがドバイゴールドカップを勝って、矢作師はそう宣言した。日本馬が5勝してお祭り騒ぎのドバイワールドカップデー。そのうち3勝が矢作厩舎。昨年、ラブズオンリーユーでBCフィリー&メアターフを、マルシュロレーヌでBCディスタフを制覇。日本競馬の夢をかなえ続ける名伯楽は、既に次を見据えている。

 この日、ゴドルフィンマイルのバスラットレオンが日本馬の先陣を切る。好スタートを決めて先手を奪うとそのまま逃げ切り。愛弟子・坂井は海外重賞初制覇だ。ステイフーリッシュも続いた。好位の内で我慢して迎えた直線。一度は前に出られたものの、父ステイゴールドのシーマクラシックVをほうふつさせる差し返しで海外重賞連勝を果たした。そしてドバイターフのパンサラッサ。逃げ切りを図るところに後続が強襲。ゴール前はロードノース、ヴァンドギャルドの3頭で歴史に残る大接戦。長い写真判定の結果、ロードノースと1着同着となった。トレーナーは「ナイター競馬のせいか、思ったほど馬が行かなかったですが、その分の粘りは大したもの。同着でもうれしいです」と満面の笑みを見せた。

 夢は広がる。ステイフーリッシュの今後について聞かれて矢作師がもらした英国の「ロイヤルアスコット開催」。優勝馬の関係者にはエリザベス女王がトロフィーを贈呈。多くのG1が行われる一大イベントだ。むろん英国遠征は簡単には決められないが、少なくともトレーナーのスケジュールには記載されている。

 ステイフーリッシュなら3990メートルのゴールドカップ。パンサラッサなら、バスラットレオンなら――。ルメールは「適性を見る目が凄い。適した馬を適した競馬場に持って行く」と矢作師を評している。アスコットの適性もしっかり見極めて用兵するはずだ。

 米国、サウジ、ドバイ。世界を席巻してきた矢作師が日本競馬の夢、ファンの夢を乗せて。初夏のアスコットに向けて帆を立てた。

 ▽ロイヤルアスコット開催 毎年6月3週目にアスコット競馬場で英国王室が主催する開催で、300年以上の伝統と高い格式を誇る一大イベント。英国では「ロイヤルミーティング」と呼ばれ、日本では「ロイヤルアスコット」で定着している。日本調教馬の最先着は00年キングズスタンドSのアグネスワールド2着。今年は6月14~18日に5日間の日程でG18鞍が組まれている。

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