【菊花賞】ワールドリバイバル逃げ貫く 牧田師「どれだけ粘れるか」

[ 2021年10月20日 05:30 ]

坂路でキャンター調整するワールドリバイバル
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 「最も強い馬が勝つ」と言われる菊花賞。ならば、伏兵の逃げ切りなど、その対極に位置する。同レースの逃げ切りと言えば98年のセイウンスカイが思い出されるが、あれが59年ハククラマ以来、実に39年ぶり。以降、逃げ切りは皆無だ。

 が、皐月賞馬エフフォーリア、ダービー馬シャフリヤールの春2冠の勝ち馬が不在の舞台なら乱菊はあり得る。展開の鍵を握るのは津村が騎乗するワールドリバイバルだ。

 春はスプリングS(6着)、続く皐月賞(12着)で果敢な逃げを打って沸かせた。7月のラジオNIKKEI賞は控えるレースでしぶとく2着に食い込んだが、前走のセントライト記念(11着)で改めてハナにこだわった。もちろん、続戦の菊花賞を意識してのもの。牧田師の決意は固い。

 「距離に関してはやってみないと分からないが、前に行く形になると思う。それでどれだけ粘れるか」

 陣営は早くから菊花賞を意識してきた。底知れないスタミナを秘めた同馬が最大のパフォーマンスを発揮できるのがこの舞台だという陣営の読み。1週前のCWコースでいっぱいに追われ、6F81秒6~1F12秒0の好時計。セントライト記念で休み明けを叩き、息の入りが違ってきた。「先週はいい反応だった。今週は確かめる程度でいい」と指揮官は虎視たんたんだ。

 先週の秋華賞は逃げたエイシンヒテンが4着に粘り、存在感を示した。阪神の内回りは案外、逃げ馬に有利なコースかもしれない。42年ぶりに阪神で行われる菊花賞にデータは通用しない。意志を貫く逃げが他馬にとっては最大の脅威になる。 

 《穴男津村に注目》ワールドリバイバルとコンビを組む津村は重賞で穴男に変貌を遂げる。今年重賞で22度騎乗して3度の馬券絡み。ラジオNIKKEI賞はワールドリバイバルで11番人気2着。レパードSはスウィープザボードで10番人気2着。先月の紫苑Sは12番人気ミスフィガロを3着に持ってきた。全て2桁人気、穴党は快哉(かいさい)を叫んだ。また、長距離重賞でも手綱さばきが光る。芝3600メートルのスポニチ賞ステイヤーズSは19年エイシンクリック(11番人気3着)→20年タガノディアマンテ(8番人気2着)と2年連続で馬券になっている。人気薄の時こそ目が離せない。

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2021年10月20日のニュース