ぶっつけクロノジェネシス 前哨戦使うディープボンド 凱旋門賞結果は…

[ 2021年9月3日 05:30 ]

 【競馬人生劇場・平松さとし】今年はクロノジェネシス(牝5歳、栗東・斉藤崇史厩舎)とディープボンド(牡4歳、栗東・大久保龍志厩舎)が挑戦する凱旋門賞(G1)。そのステップレースが来週末に迫った。大一番3週間前の前哨戦デー。本番と同じパリロンシャン競馬場で、やはり本番と同じ芝2400メートルのレースが3つ。牝馬のヴェルメイユ賞(G1)、3歳のニエル賞(G2)、古馬のフォワ賞(G2)が行われる。

 2013年のその日、日本馬の活躍でパリの競馬場は沸いた。前日の大雨で柔らかくなった馬場の上、ニエル賞に出走したのがキズナ(栗東・佐々木晶三厩舎)。10頭立ての後方から進んだこの年の日本ダービー馬は最後に追い上げてきた英国のダービー馬ルーラーオブザワールドを振り切り優勝。海外デビューを勝利で飾った。

 その1時間40分後、前年に続きフォワ賞に出走したのがオルフェーヴル(栗東・池江泰寿厩舎)だ。遅い流れにも掛かることなく追走すると、最後は重い馬場とは感じさせないほどの切れる脚を披露。内から一気に抜け出し2着に3馬身の差をつけてゴールした。

 3週間後の凱旋門賞は3歳牝馬のトレヴの前に屈した2頭だが、キズナが4着、オルフェーヴルは2着といずれも善戦してみせた。オルフェーヴルの池江師は「着順こそ前年と同じだったけど、今回はヨレずに真っすぐ走ってくれました。前哨戦で鞍上(C・スミヨン騎手)が“今年は大丈夫”と確認してくれたのが大きかったです」と敗戦の中にも満足げな表情。

 一方、キズナの手綱を取った武豊騎手は「前哨戦は早めにゲートに入れられ、枠内で待たされたけど、本番を見据えてあえて後入れなどのリクエストは出しませんでした。そういった効果は本番でも少なからずあったはずです」と言った。

 凱旋門賞で2着に健闘した延べ4頭の日本調教馬はいずれもこの前哨戦デーを使った馬。今年はディープボンドがフォワ賞を使い、クロノジェネシスはぶっつけで本番へ向かう。果たしてどんな結果につながるだろう?(フリーライター)

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2021年9月3日のニュース