【新潟2歳S】ウインピクシス妖艶美技 丸山も満足「重さも抜けて、先週よりずっといい」

[ 2021年8月26日 05:30 ]

<新潟2歳S>単走で追い切るウインピクシス(撮影・村上 大輔)
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 白い妖精が晩夏のターフに舞う。「第41回新潟2歳S」(29日、新潟)の追い切りが25日、美浦、栗東トレセンで行われ、新馬戦圧勝のウインピクシスがしなやかで美しい身のこなしを披露した。14歳で体操界を席巻した懐かしの天才少女コマネチを想起させる美技で金メダル獲りだ。

 夏は牝馬を狙えという。子づくりのため体温調節に優れているうえ、牡馬より我慢強いからだ。夏は芦毛を狙えという。強い日差しを反射し、熱がこもりづらい毛色だからだ。夏は小柄を狙えともいう。体が小さいほど放熱効率が上がるからだ。「ヤンチャな小さな妖精」(ピクシス)と命名された小柄な芦毛の牝馬が3つの格言を地で行くように美浦トレセンで躍動した。

 「白い妖精コマネチみたい?そうだね(笑い)。奇麗で柔らかい走りをするよね」。スタンドで見届けた上原師が思わず表情を緩めるほどのしなやかなフットワーク。可動域の広い股関節を生かして両前脚が高々と上がった。76年モントリオール五輪の体操競技で3つの金メダルを手にしたルーマニアのナディア・コマネチを思い起こさせる身のこなし。平均台の上で舞うように430キロ前後の白い妖精がウッドチップの上で弾んだ。

 「重さも抜けて、先週(1週前追い切り)よりずっといいです」。単走追いの手綱を取った丸山が同師に手応えを伝える。その1週前追い切りにしても、併せ馬のパートナーに騎乗した内田が舌を巻くほど非凡さを示した。「ゴール地点で併入できるように必死で先行したのに一瞬で追いつかれた。あの馬は小さいけど凄いよ」

 血は争えないという。気性の激しさで知られた父ゴールドシップ譲りのヤンチャ娘。新馬戦では発走直前まで細いリップチェーン(歯ぐきに掛ける制御用の鎖)で落ち着かせた。「競馬では2番手で折り合って(3馬身半)抜け出す強い内容。素軽くて、反応が速くて、バネもある。デビュー前にジョッキー(丸山)が“場合によっては逃げてもいいですか?”と言ってくるぐらいスピードもある」と続けた同師。「体が小さいので新馬戦はソフトな仕上げ。今度は牡馬相手の重賞だから負荷を掛けた」。夏場に追い切りを重ねても、カイバ量が落ちない。体重も少しずつ増えているという。格言通りの暑さに強い小柄な芦毛の牝馬。夏の2歳重賞はターフのコマネチを狙え!

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2021年8月26日のニュース