【レパードS】人馬52歳差!鞍上に力みなし メイショウムラクモ 調子に曇りなし

[ 2021年8月5日 05:30 ]

Wコース併せ馬で追い切ったメイショウムラクモ(右)(撮影・郡司 修)
Photo By スポニチ

 ベテランが元気な夏。真夏の3歳ダート王を決める「第13回レパードS」(8日、新潟)の追い切りが4日に行われ、美浦ではJRA騎手最年長重賞Vが懸かる柴田善臣(55)が騎乗したメイショウムラクモ(牡=和田勇)が絶好ムードだ。

 鞍上に力みも欲もない。最終追いでメイショウムラクモの状態を確かめた柴田善。JRA最年長騎手が血気盛んな3歳馬について語る。「毎回レースで持っていかれちゃうけど、それでいいんだよ。小細工しないのがいいし、邪魔はしたくない。人間のやる気のなさと馬のやる気がちょうど100%になるようにいきたいね」。御せずして御す。これぞ大ベテランの達観。

 最終リハはWコースでイカロスカフェ(3歳未勝利)との併せ馬。ゆったりとペースを上げ、約6馬身の差をじわじわと詰める。直線は内に入りグンと加速。柴田善の手綱は全く動かなくともきっちり併入で終えた。大ベテランは「最後の反応が良かったね。ちゃんと動けている。左回りの調教は初めてだったけど、何の違和感もなく走れていたよ」と満足そうだ。

 JRAのG19勝、通算2309勝の55歳。近年はパドックやゲートでの度重なる骨折に泣いた。厳しいリハビリを経ての復帰。それだけに、東京五輪はブランクを克服したアスリートに目がいく。「ソフトボールの上野さんは13年ぶり?(競技が)五輪から外されて普通は13年も持たないよ。ああいう気持ちは見習わないと。ケガして復帰は俺らでも厳しい。自分も頑張ります」と日本の大エースに敬意を払った。

 ムラクモは全3勝を3、8、7馬身差。自らハミを取る闘志あふれる走りで後続を置き去りにした。素質はG1級。初めて経験する重賞の流れはこの馬に向くと信じている。柴田善は「今回は速い馬もいるし折り合いが付くんじゃないか。あまりに持っていかれると格好悪いから流れてほしい(笑い)。馬上から馬を応援するよ」と52歳下の若駒を信じ切る。余計な手出しは無用。孫のような相棒を語る口ぶりはどこまでも優しい。

続きを表示

2021年8月5日のニュース