【エルムS】メンバー最高齢9歳のウェスタールンド 状態に陰りなし

[ 2021年8月5日 05:30 ]

函館競馬のダートコースで追い切ったウェスタールンド
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 「第26回エルムS」(8日、函館)は9歳馬ウェスタールンド(セン=佐々木)が函館ダートコースで若々しい走りを披露した。

 函館競馬場に隣接する健康長寿の湯の川温泉に人知れずつかっていたのか。それとも津軽海峡フェリーで青森・黄金崎の不老不死温泉にこっそり通っていたのか。メンバー最高齢のウェスタールンドが9歳とは思えない張りに満ちた馬体を躍動させる。函館ダートコースでの単走追い。赤池助手の肩ムチに応えてピッチ走法でパサパサに乾いた砂を蹴散らす。「馬が若作り?不老長寿の温泉につかったわけじゃないですよ」と、笑顔で口火を切った同助手。「ツメが弱いので年に4、5回しか(レースに)使わないし、真冬は裂蹄になるのでしっかり休ませている。無理しなかったのが長持ちの秘けつかも」と続けた。

 今冬は牧場で裂蹄を繰り返して完全休養。そのせいで半年余の休養明けで臨んだ前走プロキオンS(7着)は馬体重18キロ増の太め残りだった。「それでも、牧場から50キロ増で戻ってきたのを帰厩後の1カ月で30キロ近く減らしたんだ」。現在は前走比8キロ減の490キロ。「もうひと絞りして、昨年のエルムS(2着)時の体重(488キロ)にしたい」と、この日もWコースより負荷のかかるダートで6Fから追い切った。

 前走は持ち前の追い込み脚を生かしづらい高速ダートにも泣かされた。「脚抜きのいい馬場なのでレース前に苦戦を覚悟した。それでも最後方から良く伸びている。9歳になっても力は落ちていない」

 セン馬になったのも長持ちの秘けつだろう。「セン馬になって無駄なことをしなくなった。手前(軸脚)の替え方は相変わらず下手だが、コーナーでスピードが落ちないので小回りも合う」。同助手が洗い場でブラシを掛ける若々しい栗毛から湯気が立ち上る。湯の川温泉や不老不死温泉の湯煙のように…。 

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2021年8月5日のニュース