【アイビスSD】菜七子 千直で芝重賞初の金狙う!過去6年最多10勝の得意コース

[ 2021年7月23日 05:30 ]

14日に東京競馬場で行われたオリンピック聖火リレー点火セレモニーでトーチを手にする藤田菜七子(撮影・久冨木 修)
Photo By スポニチ

 東京五輪聖火リレーの点火セレモニーに参加した藤田菜七子(23)が、自身初の芝重賞“金メダル”獲りへ挑む。新潟の開幕週を飾る「第21回アイビスSD」で藤田はセピアノーツとコンビを組み、3年連続の名物重賞挑戦が決定。14日にトーチキスで五輪の成功を祈った“直線女王”に勝利の女神がほほ笑むか。

 聖火の加護を受けた藤田に運気が巡ってきた。東京競馬場で聖火リレーの点火セレモニーに参加したのが14日。その3日後の福島12Rで約2カ月ぶりの勝利を手にした。そして木曜朝、出否未定だったセピアノーツがアイビスSD参戦を表明。2月クイーンC(レッジャードロ16着)以来の重賞騎乗が舞い込んだ。藤田は「ゲートが上手でスピードがある馬。1勝馬で格上挑戦になりますが、頑張りたいと思います」と意気込みを語った。

 熱を帯び始めた東京五輪。日々、勝負の世界に身を置くからこそ、トップアスリートたちへのリスペクトは大きい。「(聖火リレーは)凄く光栄でトーチは重かったです。たくさんの人の思いが詰まった炎で、私自身そういった人々への思いを少しでも背負って最終ランナーの(女優の)土屋(太鳳)さんにつなげたつもりです」。注目する競技は馬術。パラリンピックでは元JRA騎手高嶋活士さんも出場する。藤田は「競馬と同じで馬を扱うスポーツ。人と馬との信頼関係が大事で、競技は違うけれど勉強するつもりで応援したい」と心待ちにした。

 アイビスSDで狙うのは芝重賞初の“金メダル”。相棒セピアノーツは自身の手綱で昨年10月の千直未勝利戦を逃げ切っており、舞台適性は証明済みだ。青木師は「ノーブレーキでロケット花火みたいな馬。いかにスピードを持続させるか。だからスタートの上手な菜七子に依頼した」と期待。19年には女性騎手初の新潟年間リーディングに輝いた藤田。中でも直線競馬は持ち前のスタートセンスが最大限に生きる舞台で、デビューした16年以降で現役騎手最多の10勝をマークしている。

 コロナ禍による無観客競馬を経験したからこそ、五輪アスリートたちの心情を思いやる。「声援は自分にとっても大きな力になるものでした。無観客は残念ですが、テレビの前でたくさんの方々が応援すると思うのでそういったものを感じながら頑張ってもらいたいです」。今週から開幕する新潟競馬は限定ながら有観客開催。現地ファンは女王の帰還を待ち望む。「私も五輪に参加するアスリートの方々に負けないぐらい頑張っていきたい」。日曜の電撃5F重賞は競馬界の女性アスリートに大注目だ。

 《青木師狙うジャイキリ》セピアノーツを管理する青木師はリッチクレマチスとの2頭出し。減量がない重賞でも鞍上には藤田&原と若手騎手を起用した。青木師は「オーナーさんが厩舎を信頼して全て任せてくれている。本当に感謝しています」と笑顔。急きょ参戦を決定した2頭だが、記念参加で終わらすつもりはない。「枠が影響するレースだし今年は開催が変則的。こういうタイミングでジャイアントキリングが訪れるんじゃないか」と熱かった。

続きを表示

この記事のフォト

2021年7月23日のニュース