【函館記念】“大人の”トーセンスーリヤ 3馬身差V!横山和「焦らなければ負けないと思った」

[ 2021年7月19日 05:30 ]

2着に3馬身の差をつけて函館記念を勝利したトーセンスーリヤ(撮影・千葉茂)
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 サマー2000シリーズ第2戦「第57回函館記念」が18日、函館競馬場で行われ、3番手追走の2番人気トーセンスーリヤが早め先頭から抜け出し、昨春の新潟大賞典以来の重賞2勝目。コンビ12戦目の横山和生(28)も新潟大賞典以来の重賞Vで通算重賞3勝目をマークした。次走は同シリーズ最終戦の新潟記念(9月5日)。サマー2000王者を目指す。

 全勝対決に沸いた大相撲にも負けない堂々たる横綱相撲。馬名の意味は「太陽神」。トーセンスーリヤが、灼熱(しゃくねつ)の太陽の下で躍った。コンビ12戦目の横山和は冷静だった。前で飛ばすレッドジェニアル、マイネルファンロンは5F58秒5のハイラップ。離れた3番手で悠々と運び、4コーナーから動いてケリをつけた。2着に3馬身差。1分58秒7は、函館が洋芝に改装された95年以降の函館記念で3位の好時計だった。

 横山和はスカッと澄み切った夏空のように笑った。「返し馬から具合の良さが伝わった。自分が焦らなければ負けないと思った。スタートも上手に出て、周りも流れてイメージ通り。直線でかわされることはないと思った」

 小野師は「予定通り。それにしても強かったな」。昨夏の札幌記念は宝塚記念7着後の夏負けが響き6着。今夏は函館記念に目標を絞り、じっくり時間をかけた。指揮官は「ぎりぎり間に合った昨夏と違い、今年はいい感じで来ていた。負けたら乗り役を替えなきゃ。それくらいの気持ちだった」。横山和も完璧騎乗で応えた。「スーリヤが精神的に大人になった。こうしなければならないというのがなくなってきた」。好位で折り合って抜け出す安定した取り口。強豪に挑んできた経験も糧となった。「完成してきた」と小野師は愛馬を称えた。

 コロナ禍で表彰式がないため、指揮官は電話でオーナーサイドと協議。「予定通り新潟記念(9月5日)に行きます」とサマー王者を目指す方針を明かした。「札幌記念は結構、相手も強いので、また来年。地道に行きます」。新潟2000メートルは昨春の新潟大賞典で重賞初Vを飾った思い出の舞台。異例の気温31度を記録した函館から初秋の越後路へ。着実に強くなるスーリヤの挑戦はヒートアップしていく。

 ◆トーセンスーリヤ 父ローエングリン 母トーセンガラシャ(母の父デュランダル)15年4月4日生まれ 美浦・小野厩舎所属 馬主・島川隆哉氏 生産者・北海道日高町エスティファーム 戦績34戦6勝 総獲得賞金1億9714万5000円(戦績、賞金ともに地方含む)。馬名の由来は冠名+インド神話の太陽神。

 《売り上げUP》函館記念の売り上げは58億1358万2500円で対前年比117・8%とアップした。

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