1000勝達成の本橋“1戦入魂騎乗”注目

[ 2021年5月21日 05:30 ]

区切りの1000勝を達成した本橋孝太
Photo By スポニチ

 【大いに気になる】14日の浦和1Rをジョーストーリーで勝って区切りの通算1000勝を達成した本橋孝太(32=船橋・矢野)。デビュー16年目、9432戦目での達成だった。「2000という数字なら違うかもしれないが、特に気にしていない。それよりも関係者にとっては一戦に懸ける思いが違うので、それを大事にして乗ってきた結果」と冷静に振り返った。

 デビュー3年目には早くも東京シンデレラマイル(08年=ミスジョーカー)で重賞初制覇。12年には東京ダービー(プレティオラス)を勝って「ダービージョッキー」の称号も手にしている。「今、思えばあの時勝っておいて良かったとつくづく思う。近年は有力馬に乗せてもらってもレース中に不利を被ったり、出走取り消しもあった。なかなか勝てないレースだと改めて感じている」

 キャリアハイの勝利数はそのダービーを勝った年の95勝。その後、言い方は悪いが中だるみのような感じで成績は下降気味だったが、昨年94勝をマークしたように再び上昇カーブを描きだした。もちろんここまで重賞22勝をマークしているように腕は確か。成績が下がったときは「レース中の巻き添えの事故が2回あって競馬へのメンタルが落ちていた」という。どうやって立ち直ったか。師匠の矢野師、騎手仲間の本田重、そしてコンビを組んだエージェント。この3人が精神的な柱になってくれたと感謝を忘れない。「前と違うのは精神的に落ち着いたと思う。乗っていて楽しい」と表情を緩めた。そんな経験があるからこそ「ファンの方には安全で迫力のあるレースを見せたい」と力を込める。充実の30代を迎えたこの男の“1戦入魂騎乗”に注目だ。

続きを表示

2021年5月21日のニュース