サトノレイナスがダービー参戦!ウオッカ以来14年ぶりの牝馬Vへ里見オーナー決断

[ 2021年4月22日 05:30 ]

桜花賞2着から日本ダービーに挑戦するサトノレイナス
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 14年ぶりに牝馬が世代の頂点に立つか。競馬の祭典「第88回ダービー」(5月30日、東京)に桜花賞2着の牝馬サトノレイナス(国枝)が鞍上クリストフ・ルメール(41)で参戦することが21日、決まった。勝てば07年ウオッカ以来、14年ぶり史上4頭目の快挙。ルメール、国枝栄調教師(66)からの進言があったことを、悲願のダービー初制覇に挑む里見治(はじめ)オーナー(79)が本紙に明かした。

 「決めたよ。オークスには行かない」。桜花賞の激闘から10日。晴天の下、国枝師が決断を伝えた。「サトノレイナスはダービー。鞍上ルメール。チャレンジしたい」。国内外でG1・20勝、歴代最強アーモンドアイを育てた名伯楽は凜(りん)とした声で語った。

 牝馬のダービー参戦は7年ぶり。勝てば、同じく桜花賞2着から臨んだ07年ウオッカ以来史上4頭目の偉業。グレード制導入以降、ダービーに出走した牝馬は全てG1馬。重賞未勝利馬の挑戦は前代未聞だ。

 決断の舞台裏を里見治オーナーが明かす。

 所有馬はダービーで2着が最高。頂点は悲願だ。「16年サトノダイヤモンドが8センチ差の鼻差、しかも蹄鉄が外れていて2着。悔しかった。本当は牡馬でダービーを勝ちたい。ただ、あれだけの2人が言ってくれた。牝馬でもダービーを勝ってくれれば本当にうれしい」

 勝負になる、ダービーに行きたい。そう進言した国枝師。牝馬3冠馬は2頭育てたがダービーは未勝利だ。「勝ちたい思いはオーナーも私も強い。いつまでも“ダービーを勝っていない”と言われるわけにいかない」。指揮官は昨年から「ダービーに出ても面白い」と話していた。桜花賞でソダシを追い詰めた剛脚で確信した。「改めて牡馬相手でもやれると思った。ルメールさんも“ダービーに出るなら乗りたい”と。手応えがあったみたい」

 令和の日本競馬は“牝馬の時代”。昨年は古馬の牡牝混合芝G110戦で牝馬が9勝した。時流が追い風となる。「いつだって夢は大きく持っている。これも一つのチャレンジ」(国枝師)。皐月賞を圧勝したエフフォーリア一強ムードが一変した。今年のダービーも面白い。 

 ◆サトノレイナス 父ディープインパクト 母バラダセール(母の父ノットフォーセール)18年2月26日生まれ 牝3歳 美浦・国枝厩舎所属 馬主・サトミホースカンパニー 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績4戦2勝 総獲得賞金9338万3000円。馬名の由来は冠名+女王たち(スペイン語)。

【07年ダービーVTR】
桜花賞2着のウオッカは角居師(引退)の「ワクワクする方を
選びたい」という意思のもとダービーへ。
96年ビワハイジ以来11年ぶりの牝馬参戦。
3番人気ながら直線馬群の真ん中から豪快に抜け出し2着アサクサキングスを3馬身ちぎった。
牝馬Vは64年ぶり。
1937年ヒサトモ43年クリフジに次ぐ史上3頭目の快挙だった。

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