【根岸S】アルクトス、坂路で動きパワフル!栗田師「踏ん張れるタイプ」

[ 2021年1月28日 05:30 ]

坂路で追い切るアルクトス(撮影・郡司 修)
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 東の横綱が堂々たる土俵入りを見せた。根岸Sの最終追いが27日、東西トレセンで行われた。美浦では昨年の南部杯をレコード勝ちしたアルクトスがパワフルな動きを披露。59キロの負担重量をはねのけられるだけの仕上がりぶりをアピールした。

 雨で湿って重くなったウッドチップをものともせず、アルクトスが540キロを超す雄大な馬体を躍動させ、坂路をパワフルに駆け上がった。スイートセント(5歳2勝クラス)、ナンノコレシキ(3歳未勝利)、ランボボーイ(3歳新馬)の僚馬3頭を従えて堂々と先頭を走る姿は、まるで太刀持ちや露払いを従えて土俵入りする横綱のようだった。

 「先週やって、体の締まり具合や息遣いは随分と良くなった。あくまで(次走に予定している)フェブラリーSに向けての一戦になるが、走れる状態にある」と栗田師。Wコースで行われた21日の1週前追いでは、いっぱいに追われながらもスイートセントに1馬身遅れ(5F66秒0~1F14秒1)。「ラストがもうひとつだった」と不満げな表情を浮かべていたが、この日の動きには満足そうだった。

 昨年10月の交流マイルG1南部杯(盛岡)を、1分32秒7の驚異的なレコードで制した。下した相手は昨年のフェブラリーSの覇者モズアスコット(2着)や、G1・5勝馬ゴールドドリーム(6着)といったダートの猛者がズラリ。タイムだけでなく、レースの質も非常に高かった。そのため今回は59キロの酷量を背負うことになる。ただ師は「大きな馬だから苦にはしないと思う。結構踏ん張れるタイプだから」と気にしていなかった。

 前走チャンピオンズCはゴール前でバテて9着。1800メートルの距離がやや長かったようだ。今回は2F短縮。ベストのマイルには足らないが、東京ダート1400メートルの条件について「センスがいい馬だし大丈夫」ときっぱり。19年に同条件の欅Sを制し、同距離のG3プロキオンSも制しているだけに、歓迎ムードだった。群雄割拠のダート界において、東の横綱の立ち位置にいるアルクトス。ここは堂々たる横綱相撲を見せてほしい一戦だ。 

 ≪59キロで重賞、昨年は5頭中2頭が1着≫昨年のJRA平地重賞で59キロを背負った馬は5頭。芝重賞を59キロで挑んだ馬は1頭もなく、全てダート重賞。該当5頭は全て直近1年以内にG1(交流含む)を制した馬で、結果は【2・0・0・3】。平安Sのオメガパフューム、プロキオンSのサンライズノヴァが優勝。残り3頭は着外と両極端な結果だった。今年で35回目を迎える根岸Sで59キロを背負った馬は、93年トモエリージェントと02年ノボトゥルーの2着が最高成績。アルクトスが59キロで勝てば、根岸S史上初の快挙となる。

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2021年1月28日のニュース