元SMAP・森且行 骨盤骨折、全治不明 フェンス激突で搬送…悲願日本一から2カ月後の悪夢

[ 2021年1月26日 05:30 ]

元SMAPでオートレーサーとして活躍する森
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 涙のスーパーグレード(SG)初制覇から2カ月――オートレーサーの森且行(46=川口)が24日、福岡・飯塚オートレース場で行われたG1「第64回開設記念」最終日11Rで落車し、福岡県内の病院に救急搬送された。骨盤骨折の重傷と診断され、全治は不明。選出されていた21年最初のSG「第34回全日本選抜」(浜松、2月19~23日)への出場は絶望的となった。これまでも数々の事故を乗り越えてきた46歳。再び元気な姿を見せることをファンは待っている。

 森が試練に見舞われた。24日に行われた飯塚オート11R。8車立ての7番車・森は1、2コーナーを最後方で通過。直後にアクシデントは起こった。バックストレッチ入り口で前を走る選手がバランスを崩し失速。森はよけきれず追突しオートバイとともに走路外側のフェンスに激突。直ちに病院に救急搬送され、骨盤骨折と診断、そのまま入院した。救急車に乗り込む際「痛いけど心配しないで」と話していたという情報もある。一夜明けた25日、オートレースを統括するJKAは「全治は不明。病院で検査中とのことしか把握していない」とコメントした。

 オートレースは8台のオートバイが、だ円状のコースを時速150キロで周回して争う。ブレーキは非搭載でエンジンブレーキだけで減速する。追い抜きを試みるのは各コーナー。減速を遅らせ内へ突っ込むか、減速せず外を走るかを選択する。この駆け引きが最大の魅力だが、事故の大半もコーナーで起こる。今回も、前方の選手らによるコーナーの攻防が原因。落車した場合、バイクから体が離れれば軽傷で済むことが多い。だが今回はバイクと密着した状態。オートレース関係者は「最も危ないケース。バイクとフェンスの間に挟まれて大ケガになったのでは」と話した。

 森は96年、SMAPを脱退。子供の頃からの夢だったオートレーサーを目指し、養成所に入所。同年8月には練習走行中に落車し左股関節脱臼骨折。デビュー後も幾度となくケガに見舞われたが不屈の闘志で復活してきた。そして昨年11月、第52回日本選手権で初優勝。デビュー24年目で頂点に立った。

 今回の骨盤骨折は場合によっては命に関わる大ケガ。2月で47歳を迎え、トップレーサーとして円熟味を増すはずだった森。かねて「レースに出られないのが一番つらい」と語っており、長期離脱となれば、自身にとってもオートレース界にとっても大きな痛手となる。

 ◆森 且行(もり・かつゆき)1974年(昭49)2月19日生まれ、東京都出身の46歳。88年にアイドルグループ「SMAP」結成。91年にCDデビュー。96年「SMAP」脱退。97年に川口所属でオートレーサーデビューし、初陣を1着で飾る。通算3008戦682勝。G1・2勝、SG1勝。通算獲得賞金6億9440万円(25日現在)。1メートル77、59キロ。血液型B。

 ≪リハビリ含め復帰に半年も≫▼松宮是哲・松宮整形外科院長(横浜市) 骨盤骨折は交通事故で多い損傷で、骨盤内の臓器や血管が損傷し、腹腔(ふくくう)内の出血がひどい場合は生命にかかわる。大量出血は脂汗が出たり意識が遠のいたりするが、今回は搬送時に意識があったということで、その心配は薄いかもしれない。骨盤のどの骨が折れたか、また、ズレがどの程度かにより治療や全治は大きく変わる。ズレがひどい場合は手術になる。骨がくっつくには2カ月ほどで、手術の場合は3カ月。リハビリをして選手として復帰するにはそこからもう数カ月、半年ほどかかる可能性もある。後遺症は周辺の神経の損傷次第で、まれに大腿部のしびれなどが残る場合もある。よほど強烈な折れ方をしていないと選手生命に影響が出るということはないだろう。

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