【有馬記念】クロノジェネシス、GP連覇へ北村友と全集中追い!加速併入ラスト1F12秒2

[ 2020年12月24日 05:30 ]

北村友一騎手を背にCウッドで併せ馬で追い切るクロノジェネシス(左)
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 中央競馬の1年を締めくくるグランプリ「第65回有馬記念」(27日、中山)の追い切りが23日、東西トレセンで行われた。栗東ではファン投票1位のクロノジェネシス(牝4=斉藤崇)がCWコースで6F83秒8~1F12秒2、デビューから12戦全てで手綱を取ってきた北村友一(34)を背に人馬一体の走りを披露。春秋グランプリ連覇に向け、万全の態勢を整えた。同レースは24日、出走馬と枠順が確定する。

 固い絆で結ばれた人馬の呼吸はピッタリ合っていた。クロノジェネシスはCWコースでリュヌルージュ(5歳オープン)との併せ馬。鞍上の北村友の手綱は終始、ピクリとも動かない。だが、3コーナーすぎに下半身の動きで軽く合図を送るとすかさず反応。スムーズに加速してあっさり僚馬に並びかけ、手応え抜群で併入した。

 「前に馬を見ながらリズム良く運んで、最後は僕の感触でやりました。走りたい気持ちが強かったけど、一線を越えることはなかったし、100%の状態で臨める」

 馬なりで6F83秒8~1F12秒2。意図していた通りの最終追いに北村友は満足げな笑みを浮かべた。

 デビューから全12戦で騎乗。G1を勝てなかった頃から苦楽をともにして多くの経験を積み重ねてきた。昨秋の秋華賞でGI初制覇。古馬になった今年は宝塚記念でグランプリホースに輝いた。秋初戦の天皇賞・秋は3着どまりとはいえ、アーモンドアイに0秒1差。地力は十分に示した。

 「今年に入ってから馬体が急激に良くなった。精神的な部分でも凄く落ち着きが出てきたし、メンタルにブレがない。全体的にドシッとしてきましたね」

 乗り替わりが当たり前の現代競馬。4歳暮れの有馬記念を乗り替わりなしのコンビで制したのは00年以降でテイエムオペラオー&和田竜(00年)、ディープインパクト&武豊(06年)、ダイワスカーレット&安藤勝(08年)の3組だけ。春秋グランプリ制覇なら歴史に残る名コンビとなる。人馬ともに有馬記念は初参戦だが「器用さを兼ね備えているので(中山は)こなしてくれるとは思います。スタートを五分に決めて、リズム良く運べれば。いつものクロノらしく、普段通りの走りができれば結果はついてくると思います」とパートナーに絶大な信頼を寄せる。

 ファン投票では歴代最多となる21万4742票を獲得して1位。この数字が人気を物語る。「たくさんの方々に応援していただいていると改めて感じました。感謝の気持ちしかないし、それに結果で応えたい」。名牝アーモンドアイが去った新時代の最強牝馬へ。春秋グランプリ連覇がその証になる。

 ≪昨年のリスグラシューに続く快挙なるか≫出走馬をファン投票で決めるドリームレースの宝塚記念と有馬記念の双方を同一年に制したのは10頭。昨年はリスグラシューが牝馬で初めて達成。クロノジェネシスが勝てば2年連続11頭目の春秋グランプリ連覇となる。

 ◆北村 友一(きたむら・ゆういち)1986年(昭61)10月3日生まれ、滋賀県出身の34歳。06年にデビュー。初勝利は06年3月19日、中京7Rゴッドヘイロー。JRA通算9291戦788勝、重賞24勝。G1勝利は19年大阪杯(アルアイン)、19年秋華賞(クロノジェネシス)、阪神JF(レシステンシア)、20年宝塚記念(クロノジェネシス)の4勝。1メートル64、51キロ。血液型A。

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