“幻の香港転戦” ウインブライト宝塚で雄姿を

[ 2020年4月24日 05:30 ]

昨年のQE2を勝ったウインブライト(撮影・平松さとし)
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 【競馬人生劇場・平松さとし】ここ20年以上、この時期は香港で過ごしてきた。4月の最終日曜日に行われるクイーンエリザベス2世C(G1、以下、QE2)やチャンピオンズマイル(G1)を取材するためだ。エイシンプレストンとアグネスデジタルの日本馬がワンツーフィニッシュを決めたQE2やモーリスが日本馬として初めてチャンピオンズマイルを制した時も現地で取材した。

 そして、3頭の日本馬がQE2に挑戦した昨年も同様。ドバイから参戦したディアドラと後に年度代表馬となるリスグラシュー、そして、もう1頭がウインブライトだった。

 ウインブライトを管理していたのは美浦の畠山吉宏調教師で、主戦として香港に渡ったのは松岡正海騎手だった。この2人が最初に手を組んだのは2005年。マイネコンテッサがアネモネSに挑戦した際「当時マイネルの主戦だった正海が乗ることになりました」と畠山師。結果ここで2着すると、桜花賞にも出走。これが松岡騎手にとって初めてのG1騎乗だった。その2年後の07年、畠山師はサマーエタニティという牝馬を管理した。同馬が3勝し繁殖入りすると、その子供たちも面倒を見た。

 14年生まれで4番子にあたるのがウインブライト。16年にデビューし松岡騎手を背にスプリングS(17年)や中山記念連覇(18、19年)など重賞を5勝。勇躍、香港へ飛んだ。そして先述した通りのリスグラシューらを相手にQE2を優勝。自身初のG1制覇を海の向こうで飾ってみせた。

 その後、暮れには香港カップ(G1)も制し、昨年のJRA賞最優秀4歳以上牡馬に選出されると、この春はドバイから香港へ転戦する予定で中東入りした。しかし、ご存じの通りコロナ禍に巻き込まれドバイの国際競走が中止。レースを走ることなく帰国した。畠山師は言う。

 「検疫を明けて今週の頭にビッグレッドファーム鉾田へ移動。乗り始めました。5月中には美浦に戻し、宝塚記念へ向かう予定です」

 その頃には新型コロナウイルスの騒動が落ち着いていることを願いたい。(フリーライター)

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2020年4月24日のニュース