【皐月賞】福永の五大クラシック完全制覇見たい

[ 2020年4月17日 05:30 ]

ホープフルSを制したコントレイル(牡2=矢作)と口取り式に臨む、福永祐一騎手(左から2人目)、管理する矢作芳人調教師(左から3人目)
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 【競馬人生劇場・平松さとし】皐月賞、日本ダービー、菊花賞。そして牝馬の桜花賞とオークス。私が競馬を始めた頃はまだグレード制が導入される前。それでも先に記した5つのレースは五大クラシック競走といわれ、価値のある競走だった。

 そんな五大クラシックを計7勝もしているのが福永祐一騎手だ。1996年デビュー。父が伝説の名ジョッキー・福永洋一元騎手ということでデビュー時から騒がれた彼も、今年でもう25年目。中堅を過ぎ、すでにベテランの一人になった。

 先述した通り7勝もしている五大クラシックにはシーザリオなどで3度も制しているオークスや、一昨年、ワグネリアンで優勝した日本ダービーといった大金星も含まれている。もっともまだ勝てていないレースも一つだけある。それが今週末に行われる皐月賞だ。

 福永騎手が初めて皐月賞に騎乗したのは1998年。キングヘイローでいきなり2着に好走した。その後、2012、13年にはワールドエースとエピファネイアで2年連続2着。1年おいて15年にもリアルスティールで2着と、実に2着が4回もある。

 しかし、最も惜しかったと言えるのは03年だろう。この年、彼が乗ったエイシンチャンプは3着なのだが、勝利したネオユニヴァースもまた、本はといえば彼のお手馬だったのである。

 ネオユニヴァースがその後、日本ダービーも制し2冠馬となると、口さがない人は「選択ミス」と言った。しかし、福永騎手は馬の強弱とか走る走らないではなく「先に依頼をいただいた方」に優先的に乗ったのだった。

 結果的にたまたまこの年はそれが裏目に出たが、彼の“自分の欲を優先して人を裏切るようなまねはしない”という態度はやがて報われる。五大クラシックを7勝もできたのも、今年、有力馬で皐月賞に臨めるのもそのおかげだと思えるのだ。コントレイルに騎乗する今週末、彼の五大クラシック完全制覇の瞬間が見られることを期待したい。(フリーライター)

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2020年4月17日のニュース