19年度JRA賞年度代表馬はリス!アーモンドに大差271対2

[ 2020年1月8日 05:30 ]

19年の宝塚記念に続き、同年の有馬記念も制したリスグラシュー
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 2019年度JRA賞受賞馬選考委員会が7日、東京都港区のJRA本部で行われた。年度代表馬には宝塚記念、豪G1コックスプレート、有馬記念と国内外でG1・3勝をマークしたリスグラシュー(牝6=矢作)が選出された。記者投票総数274票中、271票獲得とほぼ満票での選出。牝馬の受賞は昨年のアーモンドアイに続き7頭目(延べ9頭目、啓衆社主催時代含む)となった。授賞式は27日、都内のホテルで行われる。

 リスグラシューの2019年は、記憶にも記録にも残る一年となった。6月の宝塚記念で強豪牡馬を一蹴しG1・2勝目。秋は海を渡り、日本調教馬として初めてオーストラリアのビッグタイトルであるコックスプレートを制覇。凱旋、そして現役引退を表明して臨んだ有馬記念で5馬身差の圧勝。見事にラストランを飾った。牝馬の同一年春秋グランプリ制覇は史上初の快挙。豪州の名手ダミアン・レーンとのコンビも印象に残った。

 管理した矢作師は「栄誉ある賞を頂き、リスグラシューに感謝しています。想像を超えた馬になり、その馬を管理できたことを調教師として誇りに思います」と喜びを表現した。昨年の年度代表馬アーモンドアイに、最優秀4歳以上牝馬と2部門で大差をつけての選出。最初で最後の直接対決となった有馬記念での完勝は、大きなインパクトを残した。

 19日に京都競馬場で引退式を実施。その後は生まれ故郷のノーザンファームに戻り、繁殖牝馬として第2のステージへと進む。初年度の配合相手はロードカナロアが候補に挙がっている。「引退で別れは寂しいが、将来の彼女の子供たちに期待したい」と矢作師。世界の競馬ファンを魅了した脚力を受け継ぐであろう産駒に夢を託す。4歳春までにG1・2着4回。惜敗を重ねながら5歳で開花した遅咲きの女王が、今度は母としてどんな子をターフに送り込むのか。矢作師もファンも、その日を楽しみに待つことになる。

 ◆リスグラシュー 父ハーツクライ 母リリサイド(母の父アメリカンポスト)牝6歳 キャロットファーム 栗東・矢作 D・レーン ノーザンファーム 5戦3勝(海外2戦1勝) 総獲得賞金7億4766万3900円(宝塚記念、有馬記念、コックスプレート)

 ▽JRA賞 啓衆社(専門紙ケイシュウニュースの前身)主催で1954年スタート。72年からはJRA発行の月刊誌「優駿」選定となり、87年からJRA賞としてJRA主催に。選考方法は年度代表馬、各部門賞を全国の競馬記者クラブ11団体に所属する記者(クラブ歴3年以上、会友含む)274人の投票で決定される。地方馬、外国馬も選考の対象。3分の1以上の得票を得た1位馬を授賞馬に決定。3分の1に達しなかった場合は選考委員会が授賞馬を審議するが、今年は全部門で1位馬が3分の1以上の得票を得たため、同委員会の承認を得て決定した。

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