【凱旋門賞】ゴスデン師 史上初3連覇へ自信!英国の現役最強馬エネイブルは“鉄の女”

[ 2019年10月4日 05:30 ]

身振り手振りを交えて取材に応じるエネイブルのジョン・ゴスデン師
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 フランスG1「第98回凱旋門賞」(6日、パリロンシャン競馬場芝2400メートル)の枠順抽選が3日(日本時間同日午後)に行われ、日本から参戦する3頭のゲート番が決定した。最大の注目は現在、2年以上も負けなしの12連勝中。史上初の3連覇を目指す英国の女王エネイブル(牝5)。G1・10勝を誇る現役最強馬を管理するジョン・ゴスデン師(68)をニューマーケットで直撃した。3連覇に懸ける思い、ライバル分析、日本馬についてなど、名トレーナーの本音に迫った。 凱旋門賞

 ――3連覇を懸けた大一番が迫った。馬の状態はどうか?

 「今朝(3日)もいつも通りウォーレンヒル2本。動きは凄くいいし、前向きな姿勢も感じる。とてもハッピーな状態だ」

 ――3歳の春から前走まで12連勝。快進撃の理由は?

 「メンタルが大きいと思う。この馬は5歳になって、ようやくメンタル面が大人になってきた。精神的にどっしりして落ち着いた。3歳の頃はやんちゃな馬だった。そして年齢を重ねるごとにより賢くなったと感じている」

 ――エネイブルは自身にとってどんな存在?

 「スペシャルホースであることは間違いない。2歳から3、4、5歳と段階を踏んで成長する姿を確かめながら、なおかつ結果も出してきた。英国では4歳で繁殖入りすることが多く5歳まで現役を続けるのは珍しい。ここまで丈夫で健康にやってこられたのが何より素晴らしいと思っている」

 ――ライバル関係はどう見ている?

 「まずはジャパンとソットサス。負担重量の軽い3歳馬はやはり有利。ガイヤースもいいギャロップをする馬だ。そしてヴァルトガイストもタフな走りをする」

 ――日本馬についてはどうか?

 「3頭ともいい馬だと思う。ただ、キセキのフォワ賞を見たが、最後に止まってしまったね。何よりアーモンドアイが来なかったのがラッキーだ。ドバイ(ターフ)で実際に見たが衝撃的な勝ち方だった」

 ――日本競馬全体については。

 「エルコンドルパサーは凄い才能を持っていたし、オルフェーヴルも“何で負けたの”というレースをした。最近ではディアドラも強かった。レベルは高いと思うし、日本の馬がこうやって世界的な競走に参戦してくることは非常にいいことだと思う」

 ――今回がラストランという話もあるが。

 「それはオーナーのアブドゥラ殿下が決めること。レース後の状態を見て、1週間くらいで結論を出すことになると思う」

 ――3連覇への自信は?

 「馬の状態は昨年よりもいい。強い馬がたくさん出てくるので甘くはないが、いい走りを期待したい。雨はあまり降らないでほしいね」

 ◇ジョン・ゴスデン 1951年3月30日生まれ、英国出身の68歳。ケンブリッジ大を卒業後、調教師を目指しアイルランドなどで修業。79年に米国で厩舎を開業。89年に英国に戻ってニューマーケットを拠点にする。凱旋門賞3勝(15年ゴールデンホーン、17、18年エネイブル)など世界中でG1・100勝以上。通算3000勝以上を誇る英国屈指の名トレーナー。

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