ディアドラ父の再現で英国沸かす

[ 2019年6月14日 05:30 ]

 【競馬人生劇場・平松さとし】現在、ロイヤルアスコット開催のメインレース・プリンスオブウェールズS(G1)を取材するため、英国・ニューマーケットに来ている。

 馬の街として知られるここに日本から同レースに出走するディアドラ(牝5=橋田)が滞在。調教を積まれている。先日、その模様を見させていただいたがドバイ、香港に続く転戦にもかかわらず、状態は悪くなさそうだ。

 同馬の父のハービンジャーは2010年にアスコット競馬場で行われたキングジョージ6世&クイーンエリザベスS(G1、以下キングジョージ)で2着に11馬身差をつけ、2分26秒78のタイムでレコード勝ちをしている。

 私はその時のキングジョージを現地で観戦した。直線を向いてどんどん2番手との差が広がっていく時に競馬場のスタンドを包んだ何とも言えないどよめきは今でも印象に残っている。

 手綱を取ったのは日本でもおなじみのオリビエ・ペリエ騎手。元来の主戦であるライアン・ムーア騎手がダービー馬ワークフォースに騎乗したため、お鉢が回ってきた。そんな代打騎乗で見事なホームランをかっ飛ばすのが、いかにも派手好きな彼らしい。レースを終え、上がってきたフランス人ジョッキーは言った。「まるで日本の馬場で走っているみたいに速かった。この馬のスピードはアンビリーバブルだったね!!」

 引退後、日本の社台スタリオンステーションにけい養され、種牡馬となったハービンジャーは、そのスピードを産駒にも伝える。昨年の有馬記念勝ち馬ブラストワンピースの他、ペルシアンナイトやモズカッチャン、今春のヴィクトリアマイルを制したノームコアなどG1馬を次々と出したのだ。

 そして、冒頭に記した通りディアドラもそんな一頭だ。アスコットでレコード勝ちした馬の娘がそのアスコットに来る。当然、これは現地でも話題になっている。父が走った時のように、アスコットのスタンドがどよめくところを見てみたい。(フリーライター)

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2019年6月14日のニュース