【皐月賞】怪物は“常識”を超える!サートゥル ディープ以来の無敗王者へ

[ 2019年4月8日 05:30 ]

<皐月賞>レース史上最長の中106日Vへ挑むサートゥナーリア
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 桜花賞に続き、今週は牡馬クラシック1冠目「第79回皐月賞」。今年は王道のトライアル組と別路線組が、がっぷり四つに組む好カードだ。中でも注目は3戦無敗で暮れのG1ホープフルSを制したサートゥルナーリア。勝てば中106日、レース史上最長間隔での優勝となる。狙うは桜花賞に続くロングショットだ。父はアーモンドアイと同じロードカナロア、母は05年に日米オークスVのシーザリオ。超良血が常識破りの臨戦で、05年ディープインパクト以来の無敗制覇を目指す。

 昭和の時代に見た戦隊ヒーローは、絶体絶命のピンチに陥っても必ずハネ返していた。ホープフルSのサートゥルナーリアは、まさにそんな感じだった。

 好スタートを決め、ハナを奪う勢いもコスモカレンドゥラを行かせて好位のイン。ここでひと呼吸。絶好の見晴らし。順調だった。だが、直線でなかなか前が空かない。大ピンチか。カラータイマーの鳴る音が聞こえる。スペースが現れたのはラスト200メートルを過ぎてから。光が見えた。ならば、こちらのもの。サッと促すだけで先頭へ。3連勝でG1初Vを飾った。

 レース後は放牧へ。3月中旬に栗東トレセンへ帰厩した。今月3日に行われた1週前追い切りは新コンビを組むルメールが感触を確かめた。CWコースの併せ馬は馬の気持ちに任せた。楽に追いつき、軽くエンジンを吹かすとスパッと伸びた。「とてもいい動きだった。操縦がスムーズだしポテンシャルが高い」。ルメールは素質を絶賛した。

 年明け初戦で皐月賞を使うのは元々決まっていたもの。外厩制度が整い、休み明けは、もはや割引材料にはならない。桜花賞は2年連続でぶっつけV。過去の勝ち馬で前走から最も間隔が長い馬は中62日で4頭いる。サートゥルナーリアが勝てば中106日。角居厩舎はこれまで幾多の名馬を輩出してきた。心配は無用だろう。この春は阪神大賞典をシャケトラで勝ち、ニュージーランドTもワイドファラオでV。厩舎の勢いは見逃せない。

 母シーザリオは05年のオークスを勝った。半兄エピファネイアは13年菊花賞を制した。母子&きょうだいクラシックVが懸かる一戦。天国からウオッカも見ている。チーム角居の結晶とも言える無敗馬が春光うららかな中山で翼を広げる。

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2019年4月8日のニュース