【フェブラリーS】ゴールド99点 剛の肉体美で仕上がり万全

[ 2019年2月12日 05:30 ]

たくましい立ち姿のゴールドドリーム
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 五条大橋で牛若丸(後の源義経)に降参した武蔵坊弁慶には有名な逸話がもう一残されています。奥州・衣川の合戦で義経を守るため大なぎなたで孤軍奮闘。最後は無数の矢を全身に射立てられ、義経のこもる堂の前で仁王立ちのまま絶命したと伝えられます。歌舞伎や講談の演目にも登場する「弁慶の立ち往生」。怪力、豪傑の代名詞になっているこの僧兵を競走馬になぞらえるなら…。筋肉のよろいを全身にまとったゴールドドリームです。

 標準サイズの顔が小顔に見えるほど肩と首の筋肉が盛り上がっています。角度の浅い飛節「直飛」が目立たなくなるほどトモの筋肉も発達している。たくましい上体を支える引き締まった膝と頑強な飛節。手加減せずに調教を積める、腱のくっきり浮き出た丈夫な四肢。弁慶のように仁王立ちを続けてもダメージが来ないでしょう。立派は腹袋は昨年のフェブラリーS(2着)時よりも引き締まっている。仕上がりも万全です。首、肩、トモの筋肉と膝、飛節、腱、腹袋…この7つのたくましい部位がダートの頂点に押し上げている。「弁慶の七つ道具」みたいなものです。

 顔立ちにも覇気がうかがえる。目には輝きがあり、耳の立て方も力強い。引き手綱に遊びがあるのに、ゆったりとハミを取りながら大地をしっかりつかんで立っています。平常心を伝えるように、ごく自然に垂らした尾の先が風に心地よくなびいている。蹄油で光った蹄がかっこいい。なぎなたや鉄熊手など弁慶が愛用した七つ道具のようによく手入れされている証拠です。

 あえて死角を探せば、右前の蹄でしょうか。左前に比べて立ち気味で、小さく映ります。昨年のチャンピオンズCは右肩筋肉痛で回避したそうですが、右前肢にそういうトラブルが起こり得る蹄の形状。ただ1点の「弁慶の泣き所」です。

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2019年2月12日のニュース