【ラジオNIKKEI賞】テッコン重賞初V!菊へ向け人馬充実

[ 2018年7月2日 05:30 ]

<ラジオNIKKEI賞>松山を背にラジオNIKKEI賞を制したメイショウテッコン(中央)(撮影・近藤 大暉)
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 菊へ、鉄魂の激走。夏の福島開幕を告げる3歳G3「ラジオNIKKEI賞」が1日、福島競馬場で行われ、トップハンデ56キロのメイショウテッコンが重賞初制覇。開設100周年を迎えた福島競馬場での通算200戦目の重賞でメモリアルVを飾った。中京で行われたサマースプリントシリーズ第2戦「CBC賞」は、6歳アレスバローズが重賞初V。東西で新星が輝きを放った。

 馬も人も、確かな成長を示した1勝だった。内めの2番枠から絶好のスタートを決めたメイショウテッコン。そのまま主導権を握るかに思えたが、外から主張したキボウノダイチ、シセイヒテンに、あっさり先手を譲る。1角手前で好位3番手の内に収まった。序盤はハミをかんで行きたがったが、鞍上の松山がなだめると落ち着きを取り戻した。3角で外に持ち出し、先行2頭を射程圏に入れて直線へ。粘るキボウを残り50メートルで捉えると、離れた外から飛んできたフィエールマンも振り切った。

 猛暑の福島。殊勲の松山は大量の汗を拭いながら振り返った。「内枠だったので、モマれずスムーズに運べればと思っていた。いい位置でしっかり我慢してくれた。3角で外に出したら反応したし、コーナーを回る手応えも抜群。最後は抜け出して少しジリっぽくなったが、よくしのいでくれた」。ここまでの3勝中2勝が逃げ切り。だが、鞍上は今後も考え、馬の後ろで控える競馬を選択した。昨年の皐月賞をアルアインで制し、見事G1ジョッキーの仲間入りを果たした松山。積み重ねた経験と自信を生かした冷静な騎乗だった。

 高橋忠師は満面の笑みで愛馬と鞍上を迎えた。「何が何でもハナという気持ちはなかった。出たなりの位置でと思っていたが、ジョッキーが馬のリズムを大切に乗ってくれた」。まずは好騎乗を称えた上で「今日のような(控える)形でどうか、と思っていたが強い競馬をしてくれた」と収穫の一戦を評価した。

 普段は馬場入りを嫌がったり、調教をてこずらせる面もあるというテッコン。「大人になり切れていないので、もう少し精神的にどっしりしてほしい」。師は課題も口にしたが、それだけ伸びしろを残してもいる。賞金を加算し、秋は王道へ。「長いところは走れそう。2カ月ほど休ませて中身が伴えば、菊花賞(10月21日、京都)を目指したい」と夢は膨らむ。逃げてホップ、差してステップと着実に成長曲線を描くテッコン。父マンハッタンカフェが躍動した秋の大舞台で、さらなる大ジャンプを期待したい。

 ◆メイショウテッコン 父マンハッタンカフェ 母エーシンベロシティ(母の父レモンドロップキッド)牡3歳 栗東・高橋忠厩舎所属 馬主・松本好雄氏 生産者・北海道新ひだか町下屋敷牧場 戦績7戦4勝 総獲得賞金8032万4000円。

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