【宝塚記念】ロケットG1初V!和田、オペラオー以来戴冠に涙

[ 2018年6月25日 05:30 ]

<宝塚記念>ワーザー(手前)をクビ差制しG1初勝利を飾ったミッキーロケット(撮影・奥 調)
Photo By スポニチ

 春のG1を締めくくるグランプリ「第59回宝塚記念」が24日、阪神競馬場で行われた。和田竜二(41)騎乗の7番人気ミッキーロケットが香港馬ワーザーとの激しい追い比べを首差制し、初G1制覇を達成。鞍上の和田は00年テイエムオペラオー以来、18年ぶり2度目の宝塚記念勝利。JRA・G1勝利は01年の天皇賞・春(同馬)以来17年ぶり。レース後、和田の目には今年5月に世を去った相棒が「後押ししてくれた」と涙が浮かんでいた。

 17年分の思いを右ステッキに込め、ミッキーロケットの馬上で和田は懸命に追った。ゴール前、外から香港馬ワーザーが強襲してきたが、首差振り切った。ゴールを先頭で駆け抜けると、左腕で2度、顔を拭った。JRA・G1制覇は、テイエムオペラオーとのコンビで制した01年天皇賞・春以来。勝利騎手インタビュー中も、何度も涙ぐみながら喜びを口にした。

 「長かったですね。この一戦に懸ける思いが強かった。オペラオー(5月17日に心臓まひで急死)が後押ししてくれたと思う」

 完璧なレース運び。スタート直後に内ラチ沿いへ誘導すると、道中は好位直後で流れに乗った。直線手前で逃げたサイモンラムセスをかわし、外にいた1番人気サトノダイヤモンドと馬体を併せて直線へ。あっさり同期のライバルを振り切り、ゴールまで伸びた。

 「ロングスパートをかけようと。勝負どころで付いていければ、直線も頑張ってくれると思っていたから。長くコンビを組んでいたし、特長を生かせたかな」

 ミッキーロケットとは3歳秋から1年半、コンビを組んできた。癖を知り尽くした騎乗は、鞍上がデビューから手綱を取り続けたテイエムオペラオーとのコンビを見ているようだった。「勝ってオペラオーに報告したかったし、これで胸を張って(合いに)行きたい」と安どの表情。

 01年、オペラオーの引退後に相棒の元を訪れたことはあったが、その後は再会することなく天国に旅立った。死んだ翌週には北海道に向かい、かつてのパートナーに手を合わせた。

 「僕も意固地なところがあって…。G1を勝ってから合いに行こうと思っていた。この前、行かせてもらって、肩の荷が下りた感じだった。こだわらなくていいと。晴れ晴れしい思いで帰ってこられた。“おいで”と言っていたのかな」

 鞍上の宝塚記念Vは2度目。「オペラオーの時は馬の力が抜けていてG1を勝たせてもらった」と当時を振り返り「本当の実力で勝ちたいと思っていた。前走から“いける感触”はあった」と喜びをかみ締める。

 音無師は「全部、和田に任せていた」と鞍上を信じた。秋は京都大賞典(10月8日)からジャパンC(11月25日、東京)を目指すローテが有力。

 和田の代名詞でもある勝利インタビューで発する“シャー”は封印!?したが「喉は温めていたけど、もう年なんで…」と笑わせ「僕も年を取ったが今からでも競馬を盛り上げていける」と締めくくった。夏競馬も、この男から目が離せない。

 ◆ミッキーロケット 父キングカメハメハ 母マネーキャントバイミーラヴ(母の父ピヴォタル)牡5歳 栗東・音無厩舎所属 馬主・野田みづき氏 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績22戦5勝 総獲得賞金3億6247万8000円。

続きを表示

この記事のフォト

2018年6月25日のニュース