【徳山・グランドチャンピオン】白井イン圧勝!地元SG初制覇

[ 2018年6月25日 05:30 ]

グランドチャンピオン優勝戦を制し、師匠の今村から祝福される白井(左)
Photo By 共同

 ボートレース徳山のSG「第28回グランドチャンピオン」は24日、12Rで優勝戦が行われた。1号艇の白井英治(41=山口)がインから逃げ切って圧勝。14年8月の若松メモリアル以来3年10カ月ぶり2回目となるSG制覇を飾るとともに、地元SG初Vを成し遂げた。優勝賞金2700万円を獲得し、今年の賞金ランキング首位に浮上。これで3年連続6回目のグランプリ(12月19〜24日、住之江)参戦も決定的となった。

 白井はもう泣いていたのかもしれない。最後の直線。天を見上げた後、頭を伏せてゴールした。師匠・今村豊がピットで待っていた。握手。そして師匠が右腕を高々と上げてくれた。さらに自分より派手にガッツポーズをしてくれた。もういけない。白井は涙が止まらなくなった。

 「(最後の直線は)空にいる勝利の女神に感謝して…。やっと終わったなって。泣いちゃいますよ。我慢できなかった。悔し涙はあるけど、うれし涙は初めて。声援に力と感動をもらった。いやー、もう一度、徳山でSGしたいな」。盤石の横綱相撲だった。直前のS展示でコンマ02の快S。展示タイム、回り足タイム、1周タイムもトップ。本番も同じ。コンマ07のトップS。水泡少なく先マイするとライバルは後方へと下がっていった。

 前検から自らを鼓舞し続けた。「地元どうこうは関係ない。優勝するために来た。その準備もしてきた。絶対優勝する」。64年ぶりの徳山SG。それも重要だったが、白井にとってもっと大事なことがあった。勝ち切る。その一点だった。3月の戸田周年。非常識のFを切った。浜名湖クラシックでは優勝戦でインから5着大敗。情けなかった。自分を見つめ直した。結論は一つ。勝つしかない。優勝することでしか汚名は晴らせない。その舞台が地元かどうかは関係なかった。

 自分にプレッシャーをかけ続けた日々は終わった。ヘルメットを脱ぐと地元の風と声援が心地良かった。「歴史に名を連ねることができた。幸せだが、今はゆっくり休みたい。疲れました」。賞金ランクは首位へ。3年連続6度目の挑戦となる年末の住之江バトルも見えた。「当然、グランプリを見据えている。住之江を克服したい」。涙はいつしか乾いていた。白井の戦いがまた始まる。

 ◆白井 英治(しらい・えいじ)1976年(昭51)10月15日生まれ、山口県出身の41歳。80期。学生時代は野球、空手に打ち込む。5度目の受験で合格。97年5月の下関で初出走、同年6月宮島で初1着。99年1月蒲郡一般戦で初優勝。順調に成績を伸ばすがSGの優勝戦では惜敗が続き「無冠の帝王」と呼ばれた。しかし、14年若松メモリアルでSG初優勝。SG優出22回、優勝2回、G1優出57回、優勝10回。通算優勝82回。主な同期は平田忠則、重成一人。5人の子だくさん。1メートル73、54キロ。血液型O。

 【優勝戦VTR】進入は123/456。白井がインからトップタイミング、コンマ07のスタートを決めて逃走モード。余裕の先マイから押し切った。2コースから白井に続いた茅原が2着。2Mでいったん、地元の寺田に3番手を明け渡した桐生だが2周1Mで本領の全速ターンを決めて再浮上。3着へと滑り込んだ。

 ◆次走 優勝した白井英治、そして長田頼宗の次走は28日からの蒲郡一般戦。平田忠則、池田浩二、古賀繁輝らと優勝を争う。茅原悠紀は7月4日からの宮島一般戦。魚谷智之、丸岡正典、前田将太らが相手。桐生順平は7月28日からの下関一般戦。村田修次、中岡正彦、山口剛らが出場。寺田祥は29日からの戸田一般戦。田中信一郎、須藤博倫、岡村慶太らが参戦。山田康二は30日からの、とこなめ一般戦。森高一真、新田雄史、竹井奈美らとVを争う。

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