【皐月賞】オウケンムーン、鬼脚封印“堅実” 馬なり3頭併入

[ 2018年4月12日 05:30 ]

北村宏を背に3頭併せで追い切るオウケンムーン(左)
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 【G1ドキュメント=11日】12年間担当した競輪から先週、競馬へコンバートされた小野。今週も緊張の面持ちで南調教スタンド前に立った。桜花賞は◎を打ったアーモンドアイがV。G1デビュー戦で“初打席初ヒット”を飾り内心ホッとしていたが、すぐさま戦いが始まるのは競馬も競輪も同じ。連続安打を目指し、かぶとの緒を引き締めた。

 皐月賞馬は美浦にいる。そう信じ込んで追い切りに目を光らせた小野は、アーモンドアイと同じ国枝厩舎のオウケンムーンに熱視線を送った。6番人気で前走共同通信杯V。12年以降、このレースを勝って皐月賞直行の馬が3勝している吉兆データは見逃せない。競輪時代の記者仲間が譲ってくれた双眼鏡を手に、最終追いを凝視した。

 主戦・北村宏が騎乗してWコースで3頭併せ。ナイトジュレップ(3歳未勝利)、ピラータ(同)を先に行かせ、直線で最内へ入って馬なりのまま3頭併入。決して派手なパフォーマンスではないが、国枝師は「オーバーワークにならないよう、ゆっくり仕上げた。今日もやり過ぎないように。時計的にもちょうどいい」と満足顔。鞍上は「落ち着いた走りで良かった」と同調した。追い切りはレースで馬の状態を最高に持っていくための準備。必ずしも人目を引く動きや好タイムが必要でないことは、小野も競馬辞典を読んで知っている。

 数少ないオウケンブルースリ産駒。血統も稽古も“地味”だが、息の長い末脚を武器に現在3連勝中。余勢を駆って良血馬たちを一蹴する可能性も十分に秘めている。同一年の桜花賞&皐月賞V達成なら77年ぶりの快挙となる指揮官は「あとは馬がレースモードになり、やる気を出してくれればね」とニヤリ。小野は混戦を一歩抜け出す勝負気配を陣営から感じ取った。

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2018年4月12日のニュース