【皐月賞】ステルヴィオ、プレミアム仕上げ!ラスト12秒8

[ 2018年4月12日 05:30 ]

併せで追い切るステルヴィオ(手前)
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 ライバルと再び相まみえる時まで恥ずかしい競馬はできない。クラシック1冠目「第78回皐月賞」の最終追いが11日、美浦、栗東の東西トレセンで行われた。スプリングSの覇者ステルヴィオは、混戦ムードを払しょくするべく併せ馬でパワフルな走りを披露。デビュー以来、唯一先着を許した無敗の2歳王者ダノンプレミアムが不在の間、主役の座を譲る気はない。皐月賞の枠順は12日、確定する。

 主役の邪魔をせぬよう霧も春の嵐も遠慮した。先週まで2週連続で追い切り日の美浦を覆った深い霧はない。強風が吹き荒れたのも追い切りの1時間後から。気合を瞳に宿すステルヴィオがはっきり見えた。

 ダートコースで体をほぐしWコースへ。向正面からスタート。中盤まで内に活気をためるように抑制が利いたフットワーク。2馬身先行するアーチキング(5歳1000万)を直線内から捉えると、残り100メートルでパワーを解放した。4F53秒7〜1F12秒8。低い姿勢から体をグイッと伸ばし、強めに追われる僚馬に頭差先着した。

 見届けた木村師が晴れやかな表情で話す。「前走は厳しい稽古と競馬だった。疲れもあるだろうし上積みはどうかと思ったが、終わってみればそうでもなかったのかと思う。日ごとに活力が出て、使って良くなっている。昨秋より毛ヅヤもいい」と変わり身を口にした。

 後方から直線一気だったサウジアラビアRCや朝日杯FSとは違い、中団から差したスプリングSは着差以上に収穫があった。「昨年より緩さが取れて力がつき、自分でハミを取るようになった。反応良く流れに乗って競馬ができた」とルメールはパワーアップを確信。「素直でちゃんと競馬をする」と木村師が評する長所に、パワーアップによって「自ら動く」という新たなストロングポイントが加わった。

 初の2000メートルも不安はない。「序盤からリズムに乗れる点でかえって1800メートルより楽だと思う」と木村師が話せば、ルメールも「距離が延びるのは絶対にいい」と胸を張る。同じロードカナロア産駒のアーモンドアイで桜花賞を制した鞍上は自信を持って臨む。

 デビューから先着を許したのはダノンプレミアムただ1頭。強敵不在に「陣営の心中を察するとチャンスという心境にはなれないが、ダノンの名前を汚さないためにも変な競馬はできない」と指揮官は口元を引き締めた。最大のライバルと再び堂々と渡り合うために、他馬に前を譲るわけにはいかない。

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2018年4月12日のニュース