【宝塚記念】9歳ヒットと二人三脚…助手自信“まだやれる”

[ 2017年6月21日 05:30 ]

 【G1ドキュメント=20日】この春、3度目の栗東出張。村松は宝塚記念出走メンバー中、最高齢9歳のヒットザターゲットの馬房へ向かった。栗東に限らず東京、中山、札幌と、いろいろな場所で何度も取材をさせてもらったなあと記憶がよぎる。前走・目黒記念(13着)で35戦連続JRA重賞出走となり、ナイスネイチャが持つJRA記録(34戦)を更新したと聞き、これも納得。

 いつも嫌な顔ひとつせず取材に応じてくれるのは担当の清生(きよせ)裕丈助手(33)。「凄い記録。まさに無事これ名馬ですよね」と愛馬に頼もしげな視線を送る。22歳でトレセンの仕事を始め、26歳の時にヒットが新馬で入厩。苦楽をともに今年で8年目。助手生活の多くの時間を一緒に過ごしてきた。

 1週前は初めてブリンカーを着けて追い切られた。本番での着用はまだ流動的だが「走りに推進力が見えましたね」と同助手は効果を感じ取っている。53戦目で川田と初コンビ。「ジョッキーをナメてかかるところがあるから、乗り代わりもいい方に出るかもしれません」と変わり身に期待を寄せている。

 取材中もカイバを食べたり馬房の中でくるりと回ったりと、マイペース全開のヒット。きっと、清生助手に心を許しきっているのだろう。「今でも頑固でワガママ。馬っ気も相変わらず凄い。いたずらしても、ハイハイって流してますけどね」。両者の間に流れる、長年連れ添った夫婦のような空気感。この上ない心地よさを感じながら、村松は厩舎を後にした。

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2017年6月21日のニュース