女性騎手発祥の地、岩手に菜七子参戦 SS産駒の乗り味に感動
女性ジョッキー誕生の地、岩手に新人女性騎手の藤田菜七子が初参戦。勝利はならなかったものの、昨年の約3倍となる2355人の観衆を集めた。自身6場目の地方競馬では伝説のサンデーサイレンス産駒のビュレットライナー(5R)に騎乗。14歳を迎えても元気いっぱいの姿に18歳の菜七子は驚きの表情だった。また、岩手所属の女性騎手・鈴木麻優(20)とのアイドル対決も5、6、9、11Rで実現しファンを沸かせた。
現代競馬の基礎を築いた大種牡馬サンデーサイレンス。初参戦の岩手競馬で、菜七子がその伝説の産駒にまたがった。「もちろん初めて乗ったんですが、これがあのサンデーサイレンスの子なのかと思った」。02年に他界した同馬の直子で、今も現役を続ける馬は園田所属のダークドーンと2頭だけ。5Rでコンビを組んだビュレットライナーは今年で14歳。同じ02年生まれのダービー馬は、あの7冠馬ディープインパクトだ。18歳の菜七子との年の差はわずか“4歳”だけだが、もはやレジェンドと呼ぶにふさわしい。
「菜」の字が印刷されたメンコを着用して臨んだ一戦。菜七子は序盤から手綱を動かして、大ベテランを鼓舞した。直線を迎えた時点では好位4番手。ラストは左ムチ連打で前を行く2頭に追いすがったが4着に終わった。それでも菜七子は「14歳とは思えないほど元気で馬体に張りもあった。凄く乗りやすくて、さすがこの産駒だなと思った」とその乗り味に目を丸くしていた。
岩手は日本で初めて女性騎手(66年高橋クニ)がデビューした地。この日は、7鞍で2着(2回)が最高だったが、岩手所属の女性騎手・鈴木麻優との競演などで大いにファンを沸かせた。会見では「(女性騎手誕生の地は)知っていましたし、岩手のみなさんの応援してくださる声もたくさん聞こえた。きょう勝てなかった悔しさを次に生かしたい」と締めくくった。女性ジョッキーゆかりの地で、伝説の産駒にも出会った菜七子。初めて訪れたみちのくで、連綿と続く競馬の歴史に触れた一日となった。
▼ビュレットライナーは父サンデーサイレンス、母カウンテスステフィの牡14歳。04年9月、中山でデビューして1番人気で3着。中央は23戦1勝。08年地方に移籍し137戦18勝(17日現在)。父サンデーは米2冠馬。引退後に日本で種牡馬となり、初年度産駒がデビューした翌年の95年から13年連続でリーディングサイヤーを獲得。
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