【桜花賞】ルージュバック“うれしい誤算”併せ馬パートナー置き去り

[ 2015年4月9日 05:30 ]

独走追いのルージュバック

 史上7頭目の無敗Vへ、マンハッタンカフェ産駒2頭が万全の態勢を整えた。「第75回桜花賞」の追い切りが8日、美浦、栗東トレセンで行われた。美浦では3戦全勝のルージュバックがWコースで5F65秒2~1F12秒8。“併せ馬にならない”誤算はあったものの、抜群の脚さばきで能力の高さを見せつけた。

【桜花賞】

 みぞれ模様の細かい雨が“波乱”を演出した。ルージュバックの追い切りが動いたのは向正面。先行したキングラナキラ(4歳500万)を外から勢いよくかわして前に出る。「掛かったのか?」。記者席がどよめいた。そのまま先行して5F65秒2~1F12秒8。直線は重い馬場をものともせず、豪快なフットワークでパートナーを5馬身突き放した。

 動きそのものは文句なし。一方で併せ馬にならなかったのも事実だが…。会見場に現れた大竹師は明るい表情で「雨で手綱が滑って(馬が)ゴーサインと勘違いした」と向正面のシーンを解説した。鞍上は手綱からハミを通して馬に指示を出す。この勘違いは鞍上の指示に瞬時に反応したことの証でもある。

 師は「単に引っ掛かったわけではない。乗り手の指示に従うかどうかをポイントにやってきたし、やってきたことに対して応えてくれた」とむしろ手応えを得た様子。「予定した時計より3秒ぐらい速くなったが、元気な証拠ということで納得している。いい動きだった」と満足げに話した。

 全て牡馬相手にデビュー3連勝。前走・きさらぎ賞では牝馬として51年ぶりのVを成し遂げた。ジェンティルドンナなど名馬の背中を知る戸崎をして「全身を使って走り、バネがあって乗っていて気持ちがいい。3歳のこの時期でこれほどの馬はそういない」と言わしめるのだから、素質の高さは疑う余地がない。阪神、マイル戦とも未経験だが、師は「前3戦も初の競馬場だったし、阪神は4大場で東京の次に直線が長い。距離短縮を補えるコース」と問題視していない。

 無敗の桜花賞馬は04年ダンスインザムードが最後。その後はシーザリオ(05年2着)など7頭の無敗馬が辛酸をなめてきたがそんなデータなど気にもならない。「G1でも通過点という気持ちで臨んでくれればと思っているし、それだけの馬」。キッパリと言い切った師の表情は愛馬への揺るぎない信頼感に満ちていた。

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