中舘引退式「本当にいい騎手人生でした」 3月から調教師に

[ 2015年1月26日 05:30 ]

引退式で胴上げされる中舘

 3月から調教師に転身する中舘英二騎手(49)の引退式が中山競馬場の最終レース終了後に行われ、歴代9位のJRA通算1823勝を挙げた名手は多くのファンに別れを告げた。93年オールカマーを大逃げで制したツインターボ、G1・2勝を含む重賞9勝を挙げたヒシアマゾンなどの映像が流れる中、ヒシアマゾンの勝負服で引退式に臨んだ中舘は「まだ実感がなくて来週も乗っちゃいそうな気になるけど、ちょうどいい潮時だと思う。本当にいい騎手人生でした」と時折言葉を詰まらせながらあいさつ。最後は騎手仲間に胴上げされ、5回宙に舞った。

 この日6Rのサウスリュウセイがラスト騎乗。5着ながらも好位から積極的なレース運びで見せ場をつくり、入線後には拍手が湧き起こった。「デビューした中山で引退したい」と1週限定で8カ月ぶりに復帰。「あれだけ声援をもらえると、ちょっとウルウル来ちゃう。やっぱり競馬に乗るのは楽しいし、もう乗れないとなると寂しい」と感慨深げに話した。

 逃げの名手として知られ、福島をはじめローカルでも活躍。年間100勝の大台到達も6度マークし、31年間で1823勝を積み上げた。昨年12月に2度目の挑戦で調教師試験に合格し、3月に開業する。「個性的な馬を育てられたらいいなと思うけど、まずは無事に出走させたい」。ステッキを置き、今度は馬を育てる立場に。個性的な馬とのコンビで強烈な印象を残してきた中舘の新たな挑戦が始まる。

 ◆中舘 英二(なかだて・えいじ)1965年(昭40)7月22日、東京都出身の49歳。初騎乗は84年3月4日中山8Rのレイズタガ(9着)。同5月6日東京7Rのトドロキキングで初勝利。JRA通算1万7699戦1823勝(重賞30勝)。1メートル52、50キロ。血液型A。

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2015年1月26日のニュース